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認認介護の問題点とは?現状や家族ができる対応をわかりやすく解説

認認介護の問題点とは?現状や家族ができる対応をわかりやすく解説

認認介護とは、認知症などで認知機能が低下している方が、同じように認知機能の低下がある家族を介護している状態を指します。高齢化や核家族化が進むなかで、高齢の夫婦だけで暮らす世帯や、高齢の親と子が支え合って生活する世帯は増えています。そのなかで、介護する側とされる側のどちらにも認知症がある場合、生活の管理や安全確保が難しくなり、事故や健康被害、金銭トラブルにつながることがあります。

この記事は認認介護の定義や現状、起こりやすい問題点、家族や周囲ができる対応、活用できる介護サービスや制度について解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター

認認介護とは

認認介護とは

認認介護は、単に高齢の方同士が支え合って暮らしている状態ではありません。介護する側にも認知機能の低下があるため、日常生活の判断や手続き、危険への対応が難しくなりやすい点に特徴があります。

認認介護の定義

認認介護とは、アルツハイマー型認知症や血管性認知症などにより認知機能が低下している方が、同じく認知機能の低下がある家族の介護を主に担っている状態を指します。典型的には、夫婦の双方が認知症を発症し、一方がもう一方の食事や服薬、通院などを支えているケースがあります。認知症の親を高齢の子どもが介護しているうちに、その子ども自身にも認知症がみられるようになる場合や、認知症のある兄弟姉妹が互いに支え合っている場合も含まれます。

認認介護の現状

認知症のある方は世界的に増えており、日本でも高齢化に伴って認知症のある高齢の方が増加しています。認知症になっても自宅で生活を続ける方は少なくなく、家族が介護の中心になることがあります。その一方で、介護する家族自身も高齢で、同居家族も限られている場合には、支える側にも認知機能の低下が生じ、認認介護につながることがあります。

都市部は近隣とのつながりが薄く、生活の変化に周囲が気付きにくい場合があります。地方では、介護サービスや病院を利用しにくい地域もあります。認知症の初期は変化がわかりにくく、本人たちだけで生活を続けるうちに状況が悪化することもあるため、家族や地域の見守りが大切です。

老老介護との違い

老老介護とは、一般的に65歳以上の高齢の方が、同じく65歳以上の高齢の方を介護している状態を指します。老老介護は、介護する側が高齢で体力的な負担を抱えていても、認知機能が保たれていれば、介護保険サービスの手続きを進めたり、緊急時に病院へ連絡したりする判断はできることがあります。

一方、認認介護は、介護する側にも認知機能の低下があります。そのため、介護保険の申請、服薬管理、金銭管理、受診の判断、火の始末、事故時の連絡などが難しくなります。老老介護と比べて、判断力の低下が重なる点が大きな違いです。身体的な負担に加えて、危険を予測して避ける力も弱くなるため、事故や健康被害、経済的な被害につながりやすくなります。

認認介護で起こる主な問題点

認認介護で起こる主な問題点

認知機能の低下は、物忘れだけでなく、計画を立てる力や状況に応じて判断する力にも影響します。そのため、認認介護は、毎日の家事や服薬、金銭管理、安全確認など、生活の基本となる部分に問題が生じやすくなります。

日常生活面のトラブル

認認介護は、料理、掃除、洗濯、買い物などの家事が続けにくくなることがあります。冷蔵庫に期限切れの食品が残る、同じ食材を何度も買う、食事が偏る、ゴミ出しができず住まいが不衛生になるなど、生活の乱れとして現れます。困っていても、本人たちだけでは何に困っているのかわからず、周囲に助けを求められないこともあります。

特に気を付けたいことが、薬の管理です。薬の飲み忘れや重複服用、受診や処方の中断が起こると、持病の悪化や副作用につながるおそれがあります。金銭管理が難しくなると、公共料金の滞納、不必要な契約、高額商品の購入、特殊詐欺などの被害も起こりやすくなります。

安全面のリスク

認知機能が低下すると、危険に気付いて避ける力が弱くなります。火を消し忘れる、暖房器具をつけたままにする、戸締まりを忘れるといった行動は、火災や事故につながることがあります。また、筋力の低下も重なると転倒しやすくなり、骨折や寝たきりにつながる場合もあります。

外出時の安全にも不安が生じます。介護される側が道に迷っても、介護する側が状況を判断して探したり、警察などへ連絡したりできないことがあります。さらに、認知機能が低下した状態で運転を続けると、本人だけでなく周囲を巻き込む事故につながる危険があります。

健康面のリスク

認認介護は、食事や水分が十分にとれず、脱水や低栄養につながることがあります。体調が悪くても本人たちが気付きにくく、症状をうまく伝えられない場合もあります。そのため、発熱や痛み、息切れ、食欲低下、転倒後のけがなどが見過ごされ、受診が遅れることがあります。

また、認知症に伴って不安や怒り、不眠、介護への抵抗などが強くなると、介護する側も対応しきれなくなることがあります。その結果、双方が疲れ切り、暴言や暴力、介護放棄につながる場合もあります。

配信元: Medical DOC

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