家族や周囲が認認介護にできること

認認介護を防いだり、深刻化を食い止めたりするためには、別居している家族や近隣、地域の支援者が早めに関わることが必要です。
早期の相談と支援依頼
離れて暮らす親や親族に、物忘れ、服薬の乱れ、金銭管理の不安、住まいの荒れ、外出時の迷いなどがみられる場合は、早めに地域包括支援センターへ相談します。地域包括支援センターは、市区町村ごとに設置されている高齢の方の相談窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどが、介護や生活の困りごとについて相談に応じます。相談すると、要介護認定の申請、ケアマネジャーの調整、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどの導入について、具体的な支援につなげてもらえます。
定期的な見守りと連絡
遠方に住んでいる家族でも、電話や手紙、宅配便などを通じて、定期的に生活の様子を確認できます。会話の内容がかみ合っているか、同じ話が増えていないか、約束を覚えているか、荷物を受け取れているかなどは、認知機能の変化を知る手がかりになります。
帰省した際には、冷蔵庫の中身、薬の残り方、郵便物、通帳や請求書、部屋の衛生状態、転倒しやすい場所の有無などを確認します。気になる変化があれば、本人を責めるのではなく、困っていることを一緒に確認するようにしましょう。必要に応じて、かかりつけ医やケアマネジャーに情報を共有し、客観的な評価につなげると、支援を進めやすくなります。
近所や民生委員との連携
家族だけで継続して見守ることには限界があります。特に遠方に住んでいる場合は、近隣住民や民生委員と連携して、日常の変化に気付きやすい体制を作ることが大切です。日頃から挨拶を交わし、何か変化があれば連絡をもらえる関係を作っておくと、郵便物がたまっている、夜間に外を歩いている、服装が季節に合わない、ゴミ出しができていないといった異変に早く気付きやすくなります。
まとめ

認認介護は、認知機能が低下している方が、同じく認知機能の低下がある家族を介護している状態です。日常生活の管理、服薬、金銭管理、火の始末、受診の判断などが難しくなり、転倒、火災、低栄養、脱水、行方不明、消費者被害などにつながることがあります。本人たちが危機を自覚しにくく、外部に助けを求めにくい点も、認認介護の大きな課題です。
家族や周囲が、服装、住環境、郵便物、会話、支払い、通院状況などの小さな変化に気付いたら、早めに地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談しましょう。訪問介護、ショートステイ、施設入所、成年後見制度などを組み合わせることで、本人たちの安全と権利を守りやすくなります。
参考文献
『老老介護・認認介護とは』(公益財団法人 長寿科学振興財団)
『公表されている介護サービスについて』(厚生労働省)

