限界を感じて家出を決行
相談するたびに結局は頼られて、頑張り続けたA子。だんだん自分でも理解しがたい状況になっていったそうです。「自分では疲れてなんかいないと思っていたのに」気が付くと涙が止まらなくなっていたり、何もかも投げ出したくなったり、不安定な状態が続くようになりました。
「もうホント無理みたい。このままの状態で期待に応え続けることはできない」
つらさを自覚したA子は、家を一旦離れる決心をしました。つまり、家出です。夫を含め、義姉や誰かに相談すると「A子ちゃんだからできるのよ! いつもとても感謝してるんよ!」と、そんなふうに引き止められて自分は断れないまま、状態は何も変わらず続いてしまう……。A子は意を決し、「とにかくしばらく家を離れます。後はよろしくお願いします」と家族にメッセージを送り、県外にいる娘のところに身を寄せました。
「良い嫁」をずっと続けてきたA子の家出。もちろん、家は大混乱だったそうです。それをきっかけに、A子の夫は長期出張をできるだけ回避するようになり、介護休暇も取って自宅で義父と過ごす時間を増やしたのだとか。また、そんな夫の必死の説得で、義父はデイサービスへ週3回通うことに納得したとのこと。教員の義姉も職場の理解を得て仕事を調整し、平日も義父に寄り添える時間を増やしたそうです。
まとめ
その後、A子の義父は老人ホームへ入居。実の息子や娘に介護してもらい、話し合えたことで義父の心が動いたようです。老人ホームでは職員や他の入居者と仲良くなり、意外と順調な生活を送っているとか。また、退院した義母を義父のホームへ連れて行くと「私はお父さんと一緒にいたい。いずれはここがいいわ。そのうちよろしくね」と言っているそうです。A子は3カ月で家出を終えて、家に戻りました。予想外の家出は、介護に対して家族それぞれが本気で取り組むきっかけになったようです。「良い嫁も悪くはないけれど、限界はあるってこと。思い切って家出して、今はなんか落ち着いた」と話すA子の表情には元の明るさが戻っていました。
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著者:森原あさみ/50代女性・会社員
イラスト:おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
著者/シニアカレンダー編集部
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