そこから、いかにしてアイドルファンという限定された層だけではなく、老若男女の支持をも掴み、国民的アイドルとなったのか。

『A・RA・SHI』『Love so sweet』ライト層に響く楽曲
1999年のデビュー曲『A・RA・SHI』から嵐のシングルは一貫して聞き馴染みが良く、キャッチーでクオリティが高かった。メンバー出演のドラマ、映画、CMのタイアップソングに多く起用されたが、すぐに爆発的人気になったわけではないため、発売時のCDセールスは10万枚台のシングルもある。だが、後に彼らがテレビ歌唱をするたびに、その認知度が高まっていった。二宮主演ドラマ『Stand Up!!』(TBS系)で主題歌が初めて流れた際、歌い出しは伸びやかなソロボーカルで始まった。「どこのバンドのボーカリストだろう?」と思ったら大野の歌声。ジュニアの頃から彼らを見てきた筆者にとっても驚きだった。その『言葉より大切なもの』では、日本全国を“ご唱和”させた「サクラップ」を世に送り出した櫻井が、シングル表題曲で初めて「ラップ詞」を手がけた。
2007年の松本出演ドラマ『花より男子2』(TBS系)の主題歌『Love so sweet』で大ブレイク後、スマッシュヒットを連発。その後、ベスト盤を発売した当時、女性のみならず男性陣も同作を購入・レンタルしたり、カラオケで歌唱するなど嵐楽曲に親しんだ。男性アイドルをコア層だけでなくライト層の男性もが多く支持し、同性でも「嵐ファン」と公言することが恥ずかしくない存在となったのだ。
大野のボーカルを核とした歌のパワー
そうして嵐の知名度が国民に波及していく。老若男女に浸透していった最大の理由は、その「楽曲のパワー」にあると言えるだろう。核となる大野のボーカルを中心に、5人が折り重なる心地よいユニゾン歌唱は、聴く者の心を捉え続けた。

