爪の異常に気が付いたときの対応と受診の目安

爪以外にもどのような症状が現れたらシェーグレン症候群を疑いますか?
爪のもろさや割れやすさだけでなく、目の乾き、お口の乾き、皮膚の乾燥、疲れやすさ、関節痛などが一緒にある場合は、シェーグレン症候群も考えるきっかけになります。シェーグレン症候群は目とお口の乾燥がよく知られていますが、それだけではなく、だるさ、痛み、皮膚の乾燥、血管や神経、内臓に関わる症状がみられることもあります。
また、口腔内の乾燥によるむし歯やお口の中の違和感、乾いた咳、皮疹、紫斑、指先や爪まわりの荒れなどが加わることもあります。爪の変化だけでは判断できませんが、こうした乾燥症状や全身症状が重なる場合は、単なる加齢や手荒れだけでは説明しにくいことがあります。
シェーグレン症候群が疑われるときの診療科を教えてください
シェーグレン症候群が疑われる場合は、まず内科で相談し、必要に応じてリウマチ科や膠原病内科に紹介してもらう方が受診しやすいです。一方で、症状の出方によって入口になる診療科は異なります。目の乾きが強ければ眼科、お口の乾きやむし歯が気になれば歯科や口腔外科、爪や皮膚の変化が前面に出ている場合は皮膚科も受診先に挙げられます。皮膚科は、シェーグレン症候群に伴う乾燥肌や皮疹、爪のもろさなどの評価やケアに関わることがあります。
病院ではシェーグレン症候群による爪症状に対してどのような治療を行いますか?
爪の症状そのものに特別な治療をするというより、まずは乾燥や爪まわりの荒れを改善することが中心です。具体的には、保湿剤で皮膚や爪周囲の乾燥を抑える、刺激の強い石けんや洗剤を避ける、必要に応じて皮膚炎に対する外用薬を使うといった対応が基本です。シェーグレン症候群では、皮膚・毛髪・爪のトラブルの多くに乾燥が関わっており、スキンケアや保湿が重要です。
また、赤みや湿疹、じんましん、紫斑、血管炎など、乾燥以外の皮膚病変が背景にある場合は、その状態に応じて治療が変わります。軽い乾燥なら保湿中心で様子をみることが多い一方、炎症が強い場合や血管炎が疑われる場合は、皮膚科やリウマチ科でさらに詳しく評価し、必要に応じて全身治療が検討されます。シェーグレン症候群では、乾燥症状に対する対症療法に加え、病状に応じて処方薬や全身管理を行うことがあります。
編集部まとめ

シェーグレン症候群では、目やお口の乾燥だけでなく、爪がもろくなる、割れやすくなる、爪まわりが乾燥して荒れるといった変化がみられることがあります。その背景には、皮膚や爪周囲の乾燥、発汗の低下、炎症、血流の変化などが関わっていると考えられます。ただし、こうした爪の変化は加齢や日常的な乾燥、手洗いや洗剤刺激などでも起こるため、爪だけでシェーグレン症候群かどうかを判断することはできません。目やお口の乾燥、皮膚の乾燥、関節痛、だるさなどがあわせてみられる場合は、内科やリウマチ科、膠原病内科、必要に応じて皮膚科や眼科などに相談することが大切です。気になる爪の異変があるときは、爪だけの問題と決めつけず、全身の症状も含めて考えることが早めの受診につながります。
参考文献
『Vasculitis in Sjögren’s Syndrome』(Curr Rheumatol Rep)
『Extraglandular Manifestations of Sjögren’s Syndrome (SS): Dermatologic, Arthritic, Endocrine, Pulmonary, Cardiovascular, Gastroenterology, Renal, Urology, and Gynecologic Manifestations』(Springer Nature Link)
『Sjögren syndrome』(DermNet)
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