受診の目安と放置のリスク
編集部
医療機関を受診すべきタイミングを教えてください。
佐藤先生
喉の違和感や胸やけが2週間以上続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、受診をおすすめします。気になる症状が出たとき、市販薬に頼る習慣のある人も見られますが、薬で症状が軽減すると原因が見過ごされ、知らず知らずのうちに悪化したり、重要な疾患が見逃されたりすることもあります。同様に、医療機関を受診しても内視鏡検査を受けずに薬だけ処方された場合には、大本の原因を見逃す危険性もあります。症状が続いたり繰り返したりする場合は消化器内科を受診し、内視鏡検査を受けましょう。
編集部
放置すると、どうなるのでしょうか?
佐藤先生
逆流性食道炎を放置すると、食道の炎症が慢性化し、びらん(粘膜の表面がただれた状態)や潰瘍を引き起こすことがあります。さらに進行すると、食道の粘膜が胃の粘膜のように変化する「バレット食道」と呼ばれる状態になることもあり、将来的に食道腺がんのリスクが高まるとされています。軽い症状でも長く続く場合は、軽視しないことが重要です。
編集部
検査はどのように行われるのでしょうか?
佐藤先生
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で食道や胃の状態を直接確認し、炎症の有無や程度を評価します。必要に応じて組織検査を行うこともあります。
編集部
悪化を防ぐため、日常生活で気を付けることはありますか?
佐藤先生
症状の改善には、生活習慣の見直しが重要です。特に大切なのは、就寝前の飲食を避け、食後すぐ横にならないことです。そのほか食べすぎを避ける、脂っこい食事を控える、適度な運動を取り入れる、体重管理を行う、おなかをきつく締め付けないといったことも有効です。これらを意識しながら、必要に応じて薬物療法を取り入れ、症状の改善を目指しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐藤先生
胸やけ、つかえ感、飲み込みにくさ、胃の不快感などの症状がある場合は、まず内視鏡検査を受けることをおすすめします。症状だけで「胃酸のせいだろう」「薬を飲めばよくなるだろう」と判断してしまうと、悪性疾患など重要な疾患を見逃してしまう可能性があります。薬物療法や生活習慣の改善はもちろん大切ですが、その前に原因をきちんと確認することが重要です。気になる症状がある人は軽く考えず、消化器内科の医師に相談してください。
編集部まとめ
胸やけや飲み込みにくさなどの症状は、よくある不調として見過ごされがちです。一方で、背景に重大な疾患が隠れていることもあります。薬で様子を見る前に、まずは消化器内科を受診し、必要に応じて内視鏡検査を受けましょう。

