区分支給限度額の対象となるサービス

区分支給限度額は、主に在宅で利用する介護保険サービスに適用されます。ここでは、対象となる主なサービス、組み合わせ方、対象外となるサービスを解説します。
対象となる主なサービス
区分支給限度額の対象となるのは、主に居宅サービスや一部の地域密着型サービスです。例えば、訪問介護や訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、福祉用具貸与などが含まれます。
これらのサービスは、自宅で生活を続けながら、必要な介護や看護、リハビリ、日中の通いサービスなどを組み合わせて利用するものです。利用したサービスごとに単位数が決められており、1ヶ月の合計単位数が区分支給限度額の範囲内に収まるように管理されます。
ただし、同じ在宅系のサービスでも、すべてが限度額の対象になるわけではありません。サービスの種類や加算の内容によって扱いが異なるため、ケアプランを作成するときに確認が必要です。
対象サービスの組み合わせ方
区分支給限度額の範囲内では、本人の状態や家族の介護負担に合わせて複数のサービスを組み合わせます。例えば、平日は訪問介護で生活支援を受け、週に数回デイサービスを利用し、家族の休息が必要なときにショートステイを使うといった形です。
組み合わせを考えるときは、単に限度額いっぱいまで使うのではなく、本人に本当に必要な支援を整理することが大切です。入浴や排泄、食事、服薬管理、リハビリ、見守り、家族の休息など、生活上の課題に合わせて優先順位を決めます。
サービスを追加すると、その分だけ単位数が増えます。限度額を超えた分は原則として全額自己負担になるため、ケアマネジャーと相談しながら、必要性と費用負担のバランスを見て調整します。
対象外となるサービス
区分支給限度額の対象外となるサービスもあります。代表的なものに、居宅療養管理指導や施設サービス、居住系サービスの一部があります。居宅療養管理指導は、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士などが自宅を訪問し、療養上の管理や助言を行うサービスです。
また、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院などの施設サービスは、区分支給限度額とは別の仕組みで費用が決まります。施設に入所して利用するサービスは、在宅サービスのように複数のサービスを組み合わせて限度額内で管理する形とは異なります。
さらに、政策上の配慮などにより、一部の加算が区分支給限度額の対象外とされる場合もあります。対象外の扱いはサービス内容によって異なるため、実際に利用する際は、ケアマネジャーや事業所に確認するとよいでしょう。
限度額を超えた場合の費用と負担軽減

区分支給限度額を超えて介護サービスを利用すると、超えた分は自己負担です。ここでは、限度額を超えた場合の費用、高額介護サービス費、そのほかの負担軽減制度について解説します。
限度額を超えた場合の自己負担
区分支給限度額の範囲内で介護保険サービスを利用する場合、利用者の自己負担は所得に応じて原則1〜3割です。
一方、区分支給限度額を超えてサービスを利用した分は、介護保険の給付対象外です。そのため、超えた部分については原則として全額自己負担です。
例えば、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどを多く利用し、1ヶ月の合計単位数が限度額を超えた場合、その超過分は10割負担です。利用回数を増やすと安心につながる一方で、費用も増えやすいため、ケアマネジャーと相談しながら調整することが大切です。
高額介護サービス費による軽減
高額介護サービス費は、1ヶ月に支払った介護サービスの自己負担額が一定額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
自己負担の上限額は、所得や世帯の課税状況によって異なります。一般的な所得の世帯は、月額44,400円が一つの目安です。住民税非課税世帯や生活保護を受けている方などは、さらに低い上限が設定される場合があります。
ただし、高額介護サービス費の対象になるのは、介護保険サービスの利用者負担分です。区分支給限度額を超えて全額自己負担になった費用、施設での食費や居住費、日常生活費などは対象外になることがあります。
そのほかの負担軽減制度
介護保険には、高額介護サービス費以外にも負担を軽くする制度があります。代表的なものに、特定入所者介護サービス費といって、介護保険施設やショートステイを利用するときの食費・居住費を軽減する制度があります。
また、医療費と介護費の両方が高額になった場合には、高額医療・高額介護合算制度といって、年間の自己負担額をもとに負担を軽減する仕組みもあります。医療機関への通院や入院が多い方、介護サービスの利用が多い方では、確認しておきたい制度です。
そのほか、所得が低い方を対象に、社会福祉法人などが利用者負担を軽減する制度や、自治体独自の助成制度が用意されている場合もあります。利用できる制度は本人の所得、世帯状況、利用しているサービスによって変わるため、市区町村の介護保険窓口やケアマネジャーに相談するとよいでしょう。
参照:『サービスにかかる利用料』(厚生労働省)

