私が一生忘れられない後悔は、母の最期に立ち会えなかったことです。仕事に追われる日々の中で、母からの小さなサインを「まだ大丈夫」と受け流してしまった私。あの日の自分の返事を、今でも何度も思い出します。
忙しさを理由に、母の言葉を後回しに
私が50代のころのことです。当時の私は仕事に追われ、毎日を慌ただしく過ごしていました。母の体調があまり良くないと聞いても、どこかで「きっと大丈夫だろう」と思っていました。深刻に受け止めるよりも、目の前の仕事を優先してしまっていたのです。
ある日、母から電話がありました。「少し話したいことがあるの」と言われたにもかかわらず、私は会議を理由に「また今度ね」と返してしまいました。そのときは、また話す機会があると思っていました。
病院で告げられた、取り返しのつかない現実
それから数日後、母が急変したと連絡が入りました。私は慌てて病院へ向かいましたが、到着したとき、母はすでに意識がありませんでした。
医師からは、「ついさっきまでお話しされていました」と告げられました。その言葉を聞いた瞬間、胸がぎゅっと締めつけられました。母は何を話していたのか。私に何を伝えたかったのか。もう確かめることはできません。
枕元で母の手を握りながら、「どうしてあの日、会いに行かなかったのだろう」と涙が止まりませんでした。

