ジストニアの治療
1.薬物療法
抗コリン薬(トリヘキシフェニジルなど)が全身性ジストニアに使用されます。ベンゾジアゼピン系薬剤(クロナゼパムなど)や筋弛緩薬(バクロフェン)も使用されます。レボドパとカルビドパの併用が、特にドパ反応性ジストニアの患者さんで効果的な場合があります。なお、厳密には、ジストニアを適応症とする内服薬は国内に存在せず適応外使用となります。
2.ボツリヌス毒素療法
問題のある筋肉に適切な量のボツリヌス毒素を注射し、筋緊張を緩和します。
3.外科的治療
脳深部刺激療法
重度の全身性ジストニアや薬物療法が効果的でない場合に考慮されます。大脳基底核に電極を埋め込み、微弱な電気刺激を与えます。
高周波凝固手術
定位的凝固術は、脳の深部に電極を挿入し熱を発生させることで、標的とする構造物を熱凝固する方法です。体内に器械の埋め込みを要さずに効果を得ることができます。適応となる疾患は脳深部刺激療法と同一ですが、手や足などの身体の片側に限局しているジストニアに対して、最もよい適応があります。
バクロフェン髄腔内投与療法
全身性で難治性のジストニア患者さんに適用されます。
4. 理学療法・作業療法
症状の軽減や日常生活動作の改善を目的として行われます。
5. 認知行動療法
特に職業関連のジストニアに対して、症状出現の不安を軽減するために導入されています。
6. 補助療法
装具による固定、バイオフィードバックなどの心理療法、再チューニング法などが、局所的なジストニアに対して行われることがあります。治療法の選択は、ジストニアの種類、重症度、原因などに応じて個別に検討されます。多くの場合、複数の治療法を組み合わせて最適な効果を得ることが重要です。
ジストニアになりやすい人・予防の方法
ジストニアになりやすい人には以下の特徴があります。
1.遺伝的要因
家族歴がある場合、特に遺伝性ジストニアのリスクが高まります。
2. 職業的要因
音楽家、アスリート、理髪師など、特定の動作を繰り返す職業に従事する人がリスクにさらされます。
3. 薬物使用
抗精神病薬や制吐剤の長期使用が遅発性ジストニアを引き起こすことがあります。
4. 神経疾患
パーキンソン病や脳性麻痺などの神経疾患を持つ人もリスクが高いです。
ジストニアの予防は難しいですが、長時間同じ動作を繰り返さないようにし、適切な休憩を取ることが重要です。また、過度なストレスを避け、リラクゼーション法を取り入れることが推奨されます。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることが全体的な健康維持に寄与します。また、抗精神病薬や制吐剤の使用は医師の指導の下で行い、必要に応じて定期的に見直します。これらの対策を講じることで、ジストニアの発症リスクをある程度低減できる可能性があります。
※この記事はメディカルドックにて【医師監修 病気を知る「ジストニア」】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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