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「鍋でいいじゃん」料理研究家・藤井恵が語る、極貧・完璧主義からの解放

「鍋でいいじゃん」料理研究家・藤井恵が語る、極貧・完璧主義からの解放

怒りながら料理を出していた。「鍋でいいじゃん」が変えた食卓

「1年ぐらいかな」と思って引き受けた「キューピー3分クッキング」の出演は、気づけば18年間にもなっていました。約1400レシピ、登場回数は最多。生活の一部というよりも、生活そのものになっていった仕事です。

ところが、そのころの食卓は修羅場でした。

「朝ごはん作って、お弁当作って、昼は撮影して、試作して、晩御飯作って。作る人はちっとも笑顔じゃない。怒りながら出していました」

一方で当時は「全て完璧にできている」と思っていたといいます。しかし実際に振り返ると、学校行事を忘れ、入学金の払い忘れもありました(ママ友から連絡がありセーフ)。「ほんとに不器用だな。全然1つのところしか見てない」と振り返ります。家族のことを考えているようで、実は家族に支えられて自分が成り立っていた。そのことに、当時は気づけていなかったのです。

転機は、家族旅行で訪れた福岡。生まれて初めて食べたもつ鍋が、藤井さんの中の何かをほどいたのです。

「うわ、美味しい!と思って。それから、鍋でいいじゃんと。ベースさえあれば、あとはざざっと切って、座りながらテーブルで調理ができる。そうしたら、自分もにこやかになるし」

その体験をきっかけに、お子様が小学校の高学年から高校生の頃まで、夏でも鍋が食卓に並ぶようになりました。塩・味噌・醤油のローテーション、具材はその日の残り物。「とんでもないものも入っちゃってるけど、意外にウケが良くて」と振り返ります。怒りながら品数を揃えるより、にこやかに鍋を囲む方が、食卓はずっと豊かだったのです。

こういった体験が根っことなって生まれたのが『藤井弁当』⁠(学研プラス)。豪華なお弁当が悪いわけではない。でも、作る人が大変になりすぎると、その気持ちは食べる人に伝わってしまう。

「作る人が頑張りすぎずに、『楽しかった。今日もこれで元気に学校行ってよ』って楽しい気持ちで作ると、お弁当の蓋を開けた時に笑顔になるんじゃないかなと思っているんです」

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【ゲスト】

第76回・第77回(5月8日・15日配信) 藤井恵さん

料理研究家・管理栄養士/女子栄養大学(現・日本栄養大学)栄養学部卒業。在学中から日本テレビ系列「⁠キユーピー3分クッキング⁠」のアシスタントを務め、フードコーディネーターをへて、料理研究家として独立。日々のごはんのおかずからお菓子、おつまみまで幅広く手がけ、そのおいしさと作りやすさには定評があり、テレビや雑誌、書籍なので活躍中。著書⁠『藤井弁当』⁠(学研プラス)⁠『海苔弁31』⁠(誠文堂新光社)⁠『藤井恵の夏ごはん』⁠(オレンジページ)⁠『腸を動かす朝ごはん 休ませる晩ごはん』⁠(暮しの⼿帖社)⁠『からだ整えおにぎりとみそ汁』⁠⁠『50歳からのからだ整え2品献立』⁠(主婦と生活社)⁠『藤井恵 おいしいレシピができたから』⁠⁠『藤井恵 繰り返し作りたい定番料理』⁠(主婦の友社)⁠『藤井恵さんのむずかしくないお魚レシピ』⁠(講談社)

Instagram: @fujiimegumi1966

【パーソナリティ】 

クックパッド株式会社 小竹 貴子

料理愛好家・ 料理の楽しみ共創室 部長/創業期から参画し、初代編集長としてメディアづくりに携わる。現在は、料理家や生産者といった食のつくり手の声を届ける活動を行っている。「日経ウーマンオブザイヤー2010」受賞。プロの技術や食材の背景にある物語を、暮らしに馴染む言葉で伝えることをライフワークに、生活者の目線で食の楽しさを探求している。

X: @takakodeli
Instagram: @takakodeli

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