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「AIが作った曲」もお金になる? JASRACの新ルール&「人間がどこまで作ったか」の境界線、弁理士が解説

「AIが作った曲」もお金になる? JASRACの新ルール&「人間がどこまで作ったか」の境界線、弁理士が解説

人が手を加えたらどうなる?

 一方で、人間がAIを補助ツールとして利用したとなれば話が変わります。例えば、AIが出力したメロディーを人間が何度も練り直して採用したい箇所を選択、編曲後、歌詞を書いて構成を修正するケースです。この場合は人間の創作的寄与が認められる可能性があります。JASRACも、人間の創作的寄与がある作品については管理対象になり得るとしています。

 要するに、AIを使ったかどうかというゼロヒャクの話ではなく、人間がどこまで創作に関与したかが見られているという点に注目すべきです。

 例えば、これまでも作曲ソフトを使った楽曲が著作権を否定されなかったのと同じで、AIも道具として使われたのであれば著作権が認められる余地があります。しかしここで問題となるのは、AIがすべて自らの手で完成できてしまうという点です。

JASRACが苦労しているのは「線引き」

 では、どこからが人間の創作で、どこからがAI任せなのでしょうか。ここが最大の問題です。AIを利用した作品は急増しているものの、作品だけ見て、あるいは聴いて「これはAIが80%作った」「いやいや、これは人間が70%作った」などと判定することは簡単ではありません。

 そのためJASRACは、著作者が作品届を提出する際に「創作実態を確認しながら運用する」という考え方を打ち出しています。

 どういうことかというと、AIを利用した作品を届け出る際に、著作者は「人間が創作的に寄与した著作物であること」を自ら保証しなければなりません。届け出内容に疑義がある場合、創作過程などに関する資料の提出を求められることがあります。

 JASRACは、作品届の内容が正しいことを前提として管理を行いますが、AIが自律的に生成した作品であるにもかかわらず、著作者を詐称して届け出るなど、届出内容に虚偽があった場合は、保証義務違反となり、委託者に法的責任が生じることとなります。

 このように、「創作時の実態をいかにして把握するか」ということに問題が移ってきているのです。

 今回のJASRACによる問題提起。こういった動きは日本に限った話ではありません。アメリカでも「AIは誰の作品をもとに学習しているのか」という問題を巡り、音楽業界やAI企業、政府、裁判所を巻き込む大きな議論が続いています。

 例えば2022年に公開されたAI画像を利用したコミック小説「Zarya of the Dawn」では、米国著作権局が完成作品だけでなく創作過程にも着目し、「どの部分を人間が創作し、どの部分をAIが生成したのか」の説明を求めました。

 そして、人間が創作した部分には著作権を認める一方、AIが自律的に生成した部分については保護の対象外と判断しています。

 また音楽業界では、レコード会社がAI作曲サービスを著作権侵害で提訴したほか、演奏家団体からも「学習利用に対する補償がない」との声が上がっています。

 一方でAI企業側は「学習はフェアユース(公正利用)だ」「学習は作品を楽しむためではなく、新しい技術を作るための変形的利用として不可欠だ」と反論しており、議論は現在も続いています。

 さらにフランス、ドイツ、スウェーデンなどの著作権管理団体も、AI学習への対価還元や権利者保護の仕組みづくりを進めています。

 つまり、今回のJASRACの問題提起は決して驚くようなものではなく、世界中で議論されているテーマなのです。

配信元: オトナンサー

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オトナンサー

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