私が60歳になったころ、久しぶりの再会を前に、少しだけ若いころの自分に戻ったような気分になりました。自分では自然なおしゃれのつもりでしたが、家族の反応をきっかけに、年齢とともに似合う服や見え方が変わっていることに気付かされたのです。
昔のお気に入りに袖を通して
高校時代の友人たちと久しぶりに集まることになった日、私は少しおしゃれをして出かけたいと思っていました。
そこでクローゼットの奥から取り出したのが、若いころに気に入ってよく着ていた革ジャンです。久しぶりに袖を通すと、当時の気分がよみがえるようで、少し懐かしい気持ちになりました。
鏡の前に立った私は、「まだ似合っているのではないか」と思い込み、気分よく出かける準備をしていました。
家族の反応で気付いた違和感
ところが、リビングに入った瞬間、妻は目を丸くしました。娘も吹き出しそうになりながら、私にこう言ったのです。
「お父さん、それ……バイク乗りのコスプレ?」
私は最初、冗談だと思って笑いました。しかし、妻と娘の表情は思った以上に真剣でした。娘はスマートフォンで私の後ろ姿を撮り、「一度見てみたほうがいいよ」と画面を見せてくれました。
そこに映っていたのは、私が鏡の前で思い描いていた姿とは少し違う自分でした。肩幅ばかりが妙に強調され、全体のバランスが悪く見えたのです。

