20代の若さで、自己免疫疾患の一種「皮膚筋炎(皮膚と筋肉に炎症を起こす難病)」と診断されたM.Nさん(仮称)。最初は手足の発疹だけだったため、近所の皮膚科では「じんましん」と診断されましたが、薬を飲んでも症状はよくならず、約4カ月後にようやく正式な病名が判明しました。診断後はステロイドと免疫抑制剤による長期治療を経て、現在は経過観察を続けています。突然の難病告知、長期入院、メンタル面の不調を乗り越えた経験――。M.Nさんに発覚から治療、現在に至るまでの経緯を聞きました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年12月取材。
体験者プロフィール:
M.Nさん(仮称)
20代女性。手足の発疹をきっかけに皮膚科を受診し、「じんましん」と診断される。約4カ月の間、症状が改善せず、紹介された大学病院での精密検査により自己免疫疾患「皮膚筋炎」と判明。ステロイドと免疫抑制剤による治療を経て、現在は経過観察中。
最初の診断名は「じんましん」
編集部
体に異変を感じたのはいつごろでしょうか?
M.Nさん
診断される4カ月くらい前のことです。疲れがたまったときに、手足に赤いボツボツとかゆみが出るようになりました。
編集部
受診から診断までの経緯を教えてください。
M.Nさん
近所の皮膚科を受診し、「じんましん」と診断されました。最初に処方された薬ではまったく改善が見られず、その後も2カ月ほどさまざまな薬を試しましたが、よくなるどころかひどくなっていき、仕事やプライベートにも支障をきたすようになって……。最終的に、医師から紹介された大学病院で詳しい検査を受けることになりました。
編集部
大学病院では、何の検査を受けたのでしょうか?
M.Nさん
血液検査や尿検査、皮膚生検(皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)など、さまざまな検査を受けました。結果を聞くために外来を受診したところ、「皮膚筋炎です」と告げられたんです。
編集部
皮膚筋炎とは、どのような病気なのでしょうか?
M.Nさん
皮膚と筋肉に炎症を起こす自己免疫疾患の一種です。筋肉に炎症が起きるため、痛みが出たり、力が入りにくくなったり、疲れやすくなったりします。
編集部
治療方針はどのように説明されましたか?
M.Nさん
「まずは3カ月ほど入院してステロイドと免疫抑制剤で治療をする。退院後は3カ月の自宅療養を経て、病気になる前の生活を目指す」と説明されました。
「難病」と言われても実感が湧かなかった
編集部
皮膚筋炎と告げられた瞬間、どう思われましたか?
M.Nさん
仕事やプライベートにも支障をきたすほどの強い症状が4カ月続いていたので、「やっと病名が分かった」と、まずは安堵したことを覚えています。一方で、治療がかなりの長期戦になることに驚いた反面、まったく実感が湧いていない自分もいて、ただただ説明されるがままに返事をしていました。
編集部
治療は順調でしたか?
M.Nさん
はい。幸運なことに治療は順調に進み、事前の説明どおり、ステロイドと免疫抑制剤を使用し、最終的には2カ月の入院、3カ月の自宅療養で済みました。心配していたステロイドの副作用もどちらかというと不安や不眠といった精神的な症状が主で、身体的なものはほとんど出ませんでした(※治療期間や副作用の表れ方には個人差があります)。
編集部
治療中、印象に残っていることがあれば教えてください。
M.Nさん
診断がつくまでの間、つらい症状、そして薬をもらっても治らない生活が続き、次第に心がすり減っていったことですね。やっと診断されて安心したのも束の間、長期の入院・自宅療養、ステロイドによる不眠や不安などが続き、メンタル面の不調にとても悩まされました。
入院中・自宅療養中ともに何度泣いたか分かりません。突然不安になり、涙が止まらなくなるんです。「やりたいこともできないなら死んでもいい」と思う反面、本当は「生きていたい」という強い気持ちが隠れており、一時の感情に流されて取り返しのつかない行動を取ってしまうのではないかと、自分自身に対する恐怖心にも襲われました。
編集部
心の不調は、どのように乗り越えられたのでしょうか?
M.Nさん
友人や家族の支援のおかげで乗り越えられました。病気を発症した当初は「自分は迷惑を掛けている」と思い、申し訳なさや罪悪感でいっぱいでした。しかし、真摯(しんし)に支えてくれる友人や家族の姿を見て「頼っていいんだ」「ここが自分にとっての居場所だ」ということに気付き、強い安心感が生まれたんです。「自分は一人じゃない、支えてくれている友人や家族のためにも病気とうまく付き合い、恩返ししよう」という考えに至り、生きる意味を見つけた気がします。

