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フレイル予防の3つの柱と取り組み、家族のサポートを詳しく解説!

フレイル予防の3つの柱と取り組み、家族のサポートを詳しく解説!

高齢になると心身の機能が徐々に低下し、健康と要介護の中間状態のフレイルに陥りやすいです。しかし、フレイルは早期に発見し適切な対策を行えば、健常な状態に戻ることができる(可逆性)ことが特徴です。フレイル予防には栄養(食・口腔)、運動、社会参加の3つの柱をバランスよく取り入れることが重要です。また、ご家族からの情緒的サポートや手段的サポートがフレイルのリスクを低減させることもわかっています。本記事は、フレイル予防の3つの柱の具体的な取り組み方法と、ご家族ができるサポートを詳しく解説します。

伊藤 規絵

監修医師:
伊藤 規絵(医師)

旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。

フレイルとは

フレイルとは
加齢に伴い心身の機能が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にある虚弱な状態を指します。身体的な衰えだけでなく、精神的・社会的な側面も含む概念であり、適切な介入により健常な状態に戻ることができる可逆性が大きな特徴です。

フレイルの定義と特徴

フレイルは、日本老年医学会が2014年に”Frailty”の日本語訳として提唱した概念で、加齢により心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にある虚弱状態を指します。

大きな特徴は可逆性であり、適切な介入と支援により再び健康な状態に戻ることが可能です。早期発見と適切な対策により、要介護状態への進行を防ぐことができる点が、フレイル予防の重要性を示しています。

参照:『総論 フレイルの全体像を学ぶ 1. フレイルとは:多面性とフレイルサイクル』 (公益財団法人長寿科学振興財団)

フレイルの3つの側面

フレイルは身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルの3つの側面から構成される多面的な概念です。

身体的フレイルは、筋力や持久力の低下、歩行速度の減少、体重減少、疲労感などの身体機能の衰えを指します。精神・心理的フレイルには、認知機能の低下、うつ傾向、意欲の減退、不安感の増大などが含まれ、日常生活への意欲や判断力に影響を与えます。社会的フレイルは、社会的孤立、外出頻度の減少、人との交流機会の喪失、地域活動への参加減少など、社会とのつながりが希薄になる状態を示します。

これら3つの側面は互いに影響し合い、悪循環を生み出す特徴があります。

参照:『フレイルとは―その概念と定義を中心として』( 健康長寿ネット)

ロコモティブシンドロームやサルコペニアとの関係

フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、高齢の方の健康を考えるうえで重要な3つの言葉ですが、それぞれ少しずつ意味が違います。

サルコペニアは、年を重ねるごとに筋肉の量が減り、筋力が弱くなってしまう状態(加齢に伴う筋肉量の減少)のことです。例えば、以前は軽々と持てた買い物袋が重く感じたり、階段の上り下りがつらくなったりするのがサルコペニアの症状です。

ロコモは、骨や関節、筋肉など身体を動かすための部分に問題が起きて、立ったり歩いたりする動作が難しくなる状態(移動機能が低下した状態)を指します。膝や腰の痛み、骨粗しょう症などが原因で起こります。

フレイルは、身体だけでなく心や社会とのつながりも含めた、より広い意味での虚弱を表す言葉です。この3つは互いに関連し合い、放置すると介護が必要な状態へと進みます。

参照:『健康長寿教室テキスト第2版』(国立長寿医療研究センター)

フレイル予防が重要な理由

フレイル予防が重要な理由
フレイルは適切な介入により健康な状態に戻ることができる可逆性を持つため、早期発見と予防が極めて重要です。放置すると要介護状態へ進行してしまいます。

要介護状態への移行リスク

フレイルの状態は、健康な状態と要介護状態の中間段階に位置しており、適切な対策を講じなければ要介護状態へと進行するリスクが高まります。特に身体的フレイルが進行すると、転倒や骨折のリスクが増大し、それをきっかけに寝たきりや介護が必要な状態に陥る可能性があります。また、精神・心理的フレイルによる認知機能の低下やうつ状態、社会的フレイルによる孤立は、生活意欲の減退を招き、さらなる身体機能の低下を引き起こす悪循環を生み出します。研究では、フレイルの高齢の方は健康な方と比較して、要介護状態に移行するリスクが著しく高いことが示されています。

参照:『高齢者全体の要介護発生と死亡にフレイルが大きく寄与』(東京都健康長寿医療センター)

改善が見込めるフレイルの可逆性

フレイルのとても重要な特徴は可逆性であり、適切な時期に適切な介入を行うことで、再び健康な状態に戻ることが可能です。これは要介護状態との大きな違いであり、フレイル予防が重視される主な理由となっています。

特に軽度から中等度のフレイル段階は、栄養改善、運動習慣の確立、社会参加の促進などの介入により、身体機能や日常生活動作能力の向上が期待できます。ただし、重度な身体的フレイル状態では介入効果が限定的になる場合もあるため、早期発見・早期介入がとても重要です。

健康寿命の延伸につながる予防効果

フレイル予防に取り組むことは、いつまでも元気で自分らしい生活を続けるために、とても大切な取り組みです。健康寿命とは、病気や介護に頼らず、自分の力で日常生活を送れる期間のことを指します。フレイルの段階で食事や運動、人との交流に気を配ることで、寝たきりや介護が必要な状態になることを防ぎ、元気に過ごせる時間を長くできます。

実際の研究でも、フレイル予防のプログラムに参加した高齢の方は、参加しなかった方と比べて介護が必要になるリスクが大きく減ったことがわかっています。また、デイサービスなどの通所施設を利用している方は、利用していない方に比べて、5年以内にフレイルになる危険性が40%も低くなった結果も出ています。

参照:
『~高齢者の就労的活動で支える~フレイル予防・介護予防を目的とした「通いの場」の有効性を確認』(東京都健康長寿医療センター)
『5年以内のフレイル発生リスクが40%低減! “要支援”高齢者の通所系サービス利用効果を実証』(大阪公立大学)

配信元: Medical DOC

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