悪性リンパ腫の検査方法や血液検査で確認すべき数値はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が悪性リンパ腫の検査方法と血液検査の数値について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血液検査で悪性リンパ腫」がわかる? 確認すべき”5つの数値”を医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
悪性リンパ腫とは
悪性リンパ腫は、血液がん(造血器腫瘍)の一種で、白血球の成分の一つであるリンパ球が異常増殖して発症します。リンパ球とは、感染症から体を守る免疫系の役割を果たしており、B細胞、T細胞、NK細胞などの種類があります。
悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大きく分類され、さらに腫瘍細胞がどの細胞由来なのかによって100種類以上の病型に分類されます。
早期発見と適切な治療が重要で、病型や進行状況によって治療法や予後が異なります。
悪性リンパ腫の検査
悪性リンパ腫の診断には、さまざまな検査が行われます。主な検査項目を以下で詳しく解説します。
血液検査
血液検査では、採血データから悪性リンパ腫に関連する異常な細胞やマーカーを検出します。白血球、赤血球、血小板などの数を確認し、腫瘍マーカーを測定し、数値が基準値よりも高い場合、悪性リンパ腫の可能性が示唆されます。また、全身の炎症反応や感染症の有無も確認されます。
超音波検査
超音波検査(エコー検査)は、非侵襲的に体内のリンパ節や臓器を可視化し、腹部などのリンパ節の腫大や病変を詳細に観察します。高周波音波でリアルタイムに体内構造を映し出し、腫瘍の有無や大きさ、位置を確認できます。患者さんへの負担が少なく、繰り返し行えるため治療経過のモニタリングにも有用です。
CT検査・MRI検査
CT検査は体内の詳細な断面画像を提供し、リンパ節の腫れや臓器への浸潤を評価するために使用されます。MRI検査は、CT検査と比較してさらに細かい軟部組織の画像を提供し、脳や脊髄などの中枢神経系の関与を詳しく調べることができます。これらの検査は、悪性リンパ腫のステージングや治療効果の評価に不可欠です。
リンパ節生検・腫瘍生検
リンパ節生検は、腫れたリンパ節から組織を取り出し顕微鏡で調べることで、悪性リンパ腫の診断を行います。この検査で異常な細胞の有無や種類が確認できます。一方、腫瘍生検はリンパ節外の腫瘍からサンプルを採取し、腫瘍の性質や進行度を分析します。
骨髄検査
骨髄検査には骨髄穿刺と骨髄生検があり、これらを通じて骨髄中の細胞を詳しく調べ、リンパ腫の診断や病型の確定が行われます。骨髄穿刺は局所麻酔で骨髄液を採取し、悪性リンパ腫が骨髄に広がっているかを調べます。骨髄生検は骨の一部を採取し、骨髄組織全体を観察する方法です。
PET検査
放射性薬剤を体内に注入し、その分布を画像化してリンパ腫の存在や広がりを詳細に把握します。CT検査やMRI検査では検出できない微小な病変も見つけられるため、治療方針の決定や効果判定、再発確認に重要です。全身を対象とし、一度にリンパ腫の広がりを確認します。

