長年の不満が積もり、私はついに「熟年離婚」という言葉を口にしました。そのひと言で、夫は初めてこれまでの生活を振り返り、現実と向き合うようになりました。
積もりに積もった不満
結婚してから長い間、家のことはほとんど私が担ってきました。掃除や洗濯、食事の準備だけでなく、親戚付き合いや冠婚葬祭の連絡、季節の贈り物の手配まで、気付けばすべて私の役目になっていました。夫は悪気なく「任せるよ」と言います。でも、そのひと言の裏で、どれだけ私が時間と気をつかっているのかは、まったくわかっていないようでした。
何度か「少しは手伝ってほしい」と伝えたこともあります。けれど夫は、その場では「わかった」と言うだけで、数日たつと元通り。この先もずっと同じ生活が続くのかと思うと、胸の奥が重くなりました。
「離婚」の言葉
ある夜、夕食後の片付けをしている私の横で、夫はいつものようにテレビを見ていました。その姿を見ているうちに、我慢していた気持ちが一気にあふれてしまいました。私は思わず、「このまま何も変わらないなら、一緒にいる意味を考えたい。熟年離婚だって、他人事じゃないと思っている」と口にしました。
夫は驚いた顔で私を見ました。いつものように聞き流されると思っていたのかもしれません。でもその日は、私も冗談では済ませませんでした。
「私は家政婦じゃない。夫婦なら、生活を一緒に支えてほしい」と伝えると、夫はしばらく黙り込んでいました。

