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「親権を取り戻すための虚偽だ」弁護側の主張、裁判所は退ける…元妻への性暴力事件

「親権を取り戻すための虚偽だ」弁護側の主張、裁判所は退ける…元妻への性暴力事件

●弁護側「事実を曲げたり、誇張したりする動機があった」

法廷で被告人は、Aさんが子どもを十分に養育・教育していないという趣旨の発言を繰り返した。

検察官から「児相に置き去りを問題にして通報したのに、あなたが夜にAさんを呼び出し、子どもたちと離れさせるのはいいのか」と問われると、「寝ていたら問題ない。寝たら起きないので。何かあったら連絡してくる」と答えた。

一方、弁護側は、Aさんに対して、午後11時に子どもたちを家に残して被告人宅に向かったことについて「時間をずらす提案はしなかったのか」と質問した。Aさんは「しなかった。提案しても受け入れてもらえるとは思わなかった」と答えた。

事件後、Aさんは親権者変更を申し立て、認められた。

弁護側は、離婚時に親権を望んでいたのではないかと追及したが、Aさんは「長引かせるよりも被告人の望み通りにした方がいいと思った」「(親権が欲しいと)思っていたら調停をしている」と説明した。

そして最終弁論で、弁護側は「結果としてAさんは目的を果たした」としたうえで、親権を取り戻すために「事実を曲げたり、誇張したりする動機があったことは否定できない」と主張した。

●判決は元妻の証言の信用性を認めた

判決は、Aさんの証言が録音データと整合していることや、事件が被告人による突然の呼び出しをきっかけに起きたことなどを踏まえ、弁護側が主張した虚偽や事実の誇張は認められないと判断した。

被告人は30代後半で、Aさんとは年齢が離れていた。Aさんは10代で被告人と出会い、10代のうちに出産、結婚している。

約10年の結婚生活について、Aさんは法廷で「気性の荒いところがあった」「子どもたちに些細なことで手をあげたり、店員と揉めたりすることがあった」と言葉少なに振り返った。

また、Aさんは事件当日以外も、離婚後に呼び出された末、不本意な性交に至ったことがあったと証言した。これに対して、被告人は同意のない性交は一度もなかったと主張し、弁護側は「離婚後も何度も家に足を運び、何度も性交した」とAさんを責め立てた。

しかし、Aさんの「提案しても受け入れてもらえるとは思わなかった」という証言や、被告人の呼び出しに応じ続けていた経緯からは、事件だけを切り離して評価することの難しさをうかがわせた。

判決も、一連の事情を踏まえてAさんの供述の信用性を認めており、法廷で示された証拠や証言などからは、事件が離婚後も続いていた両者の力関係の中で起きたことが浮かび上がっていた。

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