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「強皮症の原因」は何が考えられる?女性に罹患者が多い原因も解説!【医師監修】

「強皮症の原因」は何が考えられる?女性に罹患者が多い原因も解説!【医師監修】

強皮症の原因は完全には解明されていません。近年の研究では、免疫異常、血管障害、線維化の3つが複雑に関係しながら病気が進行すると考えられています。

本記事は、強皮症の原因として考えられていることや、病態を理解するうえで重要な3つの要素、発症に関係する背景を解説します。

副島 裕太郎

監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学附属市民総合医療センター リウマチ膠原病センター)

2011年佐賀大学医学部医学科卒業。2021年横浜市立大学大学院医学研究科修了。リウマチ・膠原病および感染症の診療・研究に従事している。

【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)

診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科

強皮症の原因と病態の3つの要素

強皮症の原因と病態の3つの要素

強皮症の原因は何ですか?

強皮症の原因は、現在でも完全には解明されていません。

ただし、近年の研究によって、免疫異常や血管障害、線維化などが複雑に関与して発症すると考えられるようになっています。

また、強皮症はいわゆる遺伝病ではありませんが、発症しやすさに関係する疾患感受性遺伝子が関与している可能性があるとされています。さらに、感染症や環境因子など、生まれた後のさまざまな要因も発症に関係すると考えられています。

しかし、どのようなきっかけで免疫異常が始まり、血管障害や線維化につながるのかは、まだ十分にはわかっていません。

そのため、強皮症の病因は複数の要素が組み合わさって発症する病気と考えられています。

強皮症の病態を理解するうえで重要な3つの要素を教えてください

強皮症の病態は、免疫異常、線維化、血管障害の3つが重要な要素とされています。

まず、免疫異常では、自分自身の細胞や組織を攻撃する自己抗体が作られます。通常であれば身体を守る免疫が、誤って自分の身体に反応してしまう状態です。

次に、線維化があります。線維芽細胞という細胞が過剰に働くことでコラーゲンなどが増え、皮膚や肺、消化管などが硬くなっていきます。これが強皮症に特徴的な皮膚硬化や肺線維症の原因です。

さらに、血管障害も重要です。血管が障害されることで血流が悪くなり、レイノー現象や指先の潰瘍などが起こります。肺の血管に影響が及ぶと、肺高血圧症につながることもあります。

この3つの異常は、それぞれ独立しているわけではなく、互いに影響し合いながら病気を進行させると考えられています。

自己免疫が関わるとはどういうことですか?

自己免疫とは、本来は身体を守るはずの免疫が、自分自身の細胞や組織を異物と誤認して攻撃してしまう状態を指します。

通常、免疫は細菌やウイルスなどの外敵から身体を守る役割を担っています。しかし、強皮症は免疫の働きに異常が生じ、自分の血管や皮膚、内臓などに反応する自己抗体が作られるようになります。

強皮症でみられる代表的な自己抗体には、抗セントロメア抗体、抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70抗体)、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体などがあります。これらの自己抗体は、病型や合併症の傾向とも関係しています。

また、自己免疫の異常によって炎症や血管障害が引き起こされ、その結果として線維化が進行し、皮膚や内臓が硬くなると考えられています。

ただし、なぜ自己免疫異常が起こるのかは、完全には解明されていません。

参照:『全身性強皮症(指定難病51)』(難病情報センター)

強皮症の発症に関わる要因と背景

強皮症の発症に関わる要因と背景

遺伝的な要因は関係していますか?

強皮症は、親から子へ直接遺伝する遺伝病ではありません。しかし、発症しやすさに関係する遺伝的要因は存在すると考えられています。

現在の研究では、強皮症には疾患感受性遺伝子と呼ばれる複数の遺伝子が関与している可能性が指摘されています。ただし、特定の遺伝子を持っているだけで必ず発症するわけではありません。

実際には、複数の遺伝的要因に加え、免疫異常や環境因子などが複雑に重なり合うことで発症すると考えられています。そのため、ご家族に強皮症の方がいても、必ず同じ病気になるとは限りません。一方で、自己免疫疾患を持つご家族がいる場合には、体質的に自己免疫異常が起こりやすい可能性があるとも考えられています。

環境因子で発症のきっかけになるものはありますか?

強皮症は、遺伝的要因だけでなく、環境因子も発症に関与すると考えられています。

研究では、ウイルス感染や慢性的な炎症、化学物質への曝露、喫煙などが免疫異常を引き起こすきっかけになる可能性が指摘されています。また、強いストレスや冷えなどによってレイノー現象が悪化することもあります。

さらに、強皮症は血管障害が病態に深く関係しているため、血流障害を起こしやすい環境や生活習慣が症状へ影響する場合もあります。

ただし、あくまで発症や悪化に関与する可能性がある因子であり、単独で発症原因になるわけではありません。実際には、複数の要因が複雑に関係しながら病気が発症すると考えられています。

強皮症が女性に多いのはなぜですか?

強皮症は女性に多い病気として知られており、男女比はおよそ1:12とされています。特に30〜50代の女性に多くみられます。

女性に多い理由は、まだ完全には解明されていません。しかし、女性ホルモンと免疫機能の関係が影響している可能性が考えられています。

一般的に、女性は男性より免疫反応が強い傾向があるとされており、そのことが自己免疫疾患の発症に関係している可能性があります。実際、強皮症以外にも、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど、多くの自己免疫疾患が女性に多くみられます。

また、遺伝的背景やホルモン環境、妊娠・出産との関係などについても研究が進められていますが、現時点では明確な結論にはいたっていません。

参照:『全身性強皮症(指定難病51)』(難病情報センター)

配信元: Medical DOC

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