レモンの健康効果は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・食べる時の注意点・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
大隅 加奈子(管理栄養士)
管理栄養士取得後、特定保健指導や病院で栄養管理・栄養指導・給食管理に従事し、現在はフリーで活動中。イベントやセミナーに参加し、みなさまの食生活のお悩みに応えられるよう努めています。
レモンとは?

国産レモンの旬は主に秋から冬にかけ、9〜10月頃には青い状態の「グリーンレモン」が収穫され、12月頃から春先の3月にかけては黄色く熟した「イエローレモン」が出回ります。主な産地は広島県をはじめ、愛媛県、和歌山県などの瀬戸内地域で、近年はハウス栽培により一年を通して国産レモンも流通しています。
レモンは外側から、香り成分が多い外果皮(フラベド)、白いワタの部分である中果皮(アルベド)、果肉を包む薄皮の内果皮(じょうのう膜)に分かれ、その内側に果肉(砂じょう)や種子があります。部位ごとに含まれる栄養素や機能性成分が異なり、健康に関するさまざまな研究が進められ注目されてきています。また、料理や飲み物、お菓子、香料、化粧品など幅広い用途で活用され、身近な柑橘類として親しまれています。
レモンに含まれる栄養素

ビタミンC
ビタミンCはレモンに含まれる代表的な栄養素です。水に溶けやすい水溶性ビタミンで、体内では合成できず蓄積もしにくいため、一度に大量に摂るよりも、毎日の食事の中でこまめに取り入れることが大切です。一方で、ビタミンCは熱や空気(酸化)、水(溶出)に弱く、調理や保存の過程で失われやすい性質があります。カット後は早めに使う、加熱しすぎないことが効率よく摂取するポイントです。
レモン全果100gあたり約100mgのビタミンCが含まれています。そのうち果汁には約50mg、残りは果皮や白いワタの部分に含まれるため、まるごと活用すると効率よく摂取できます。皮ごと利用する場合は、防カビ剤や農薬の使用表示を確認し、よく洗ってから使用することが大切です。
クエン酸
クエン酸はレモンの強い酸味のもとになる代表的な有機酸です。レモン果汁にはクエン酸が多く含まれ、果汁100gあたり約4〜8g程度が目安とされています。クエン酸は体内のエネルギー産生に関わる「クエン酸回路(TCAサイクル)」に関連する成分ですが、レモンを食べるだけで疲労が回復すると断定できるものではありません。疲労感との関連については研究されていますが、効果には個人差があり、食事・睡眠・運動習慣などを整えることが大切です。
クエン酸は特に果汁に多く含まれ、100gあたり全果に3.0g、果汁には6.5g含まれています。酸味が強いため、生食よりも調味料や飲み物として利用されることが多いのも特徴です。熱に強い性質のため、レモン果汁を肉や魚料理などの加熱料理や温かい飲み物に加えても成分が失われにくく、ビタミンCなど他の栄養素と一緒に摂ることで相乗効果も期待できます。
ポリフェノール
レモンの苦みや風味に関わる成分で、ヘスペリジンやエリオシトリンなどのフラボノイドが含まれています。植物が紫外線やストレスから身を守るために作り出す成分で抗酸化作用を持つことで知られています。種類によって熱や光、酸化の影響を受けやすく、加工や長時間の保存によって減少することがあります。特に果皮や白いワタの部分に多く含まれているため、皮ごと利用することで効率よく取り入れやすくなります。
食物繊維
レモンには水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれ、100gあたり全果には4.9g、水溶性には2.0g、不溶性には2.9g含まれています。ただし、果汁のみでは取り入れにくいとされています。主に、果皮や白いワタ部分、じょうのう膜などにペクチンという水に溶けやすい水溶性食物繊維が多く含まれています。水分を吸収してゲル状になる性質があり、加熱によって働きやすくなるためレモンジャムやゼリー、シロップなどの加工食品でも活用しやすい成分です。
一方、不溶性食物繊維は水に溶けずに便のかさを増やし、腸の働きを活発にすることで排便を促す作用があります。果皮や薄皮に比較的多く含まれているため、細かく刻んだり、薄く削いだりした皮を料理のアクセントやドリンクに活用すると手軽に取り入れやすくなります。ただし、一度に多く摂り過ぎるとお腹の張りや腹痛などにつながる場合があります。また、水分が不足した状態では便が硬くなりやすいため、水分とあわせてバランスよく摂取することが大切です。
カリウム
レモンに含まれるカリウムは、100gあたり全果に130mg、果汁には100mg含まれています。一般的な果物のなかでは比較的少なめです。カリウムは体内の水分バランスを整えるミネラルで、ナトリウムとのバランスを保つ働きがあります。また、血圧・水分量・筋肉や神経の働きを調整する働きもあります。水に溶けやすい性質があるため、果汁をそのまま使う料理や飲み物に加えると無駄なく取り入れられます。一方で、熱には比較的安定しているため、温かい飲み物や加熱調理にレモンを加えても栄養を損なわれにくいのが特徴です。

