褥瘡ができてしまったときの対処法

褥瘡が疑われるときは、まず圧迫を取り除き、皮膚を清潔に保ちましょう。市販薬や自己流の処置で傷を覆う前に、医師や看護師へ相談しましょう。傷の深さや感染の有無によって、必要な治療が異なります。
治療と並行して、体位変換、体圧分散用具、スキンケア、栄養管理を続けましょう。褥瘡は傷だけを処置しても、同じ部位に圧力がかかり続けると治りにくいです。
褥瘡のステージによる分類
褥瘡は、皮膚や組織の損傷の深さによって段階的に分類されます。皮膚が破れていないものの押しても消えない発赤がある状態がステージ1、真皮までの浅い皮膚欠損がステージ2です。
皮下脂肪まで達する深い損傷はステージ3、筋肉や腱、骨がみえる深い損傷はステージ4です。壊死組織で傷の底がみえず深さを判断できない場合や、皮膚の下の深部組織損傷が疑われる場合もあります。
ステージは見た目だけで正確に判断しにくいことがあります。皮膚表面は小さくみえても、内部で損傷が広がっている場合もあるため、専門職による評価が必要です。
医療機関で行われる治療の概要
医療機関では、褥瘡の部位、深さ、大きさ、滲出液、壊死組織、感染の有無、痛み、全身状態を確認します。必要に応じて、創部の洗浄、外用薬、ドレッシング材、壊死組織の除去、感染への治療を行います。
浅い褥瘡は、圧迫を避けながら、創部を保護し、治りやすい湿潤環境を整える治療が行われます。深い褥瘡は、壊死組織や感染の管理、滲出液に合った被覆材の選択、陰圧閉鎖療法などが検討されることがあります。
治療方法は、傷の状態だけでなく、栄養状態、糖尿病や血流障害、活動性、介護環境によって変わります。処置の方法や交換頻度は、医師や看護師の指示に合わせましょう。処置の途中で痛みが強くなる、滲出液が増える、においが変わる場合も相談の目安です。
在宅での継続ケアのポイント
在宅での継続ケアにおいて、傷を圧迫しない姿勢を保つことが基本です。処置後に同じ部位へ体重がかかると、治癒が遅くなります。ベッド上の姿勢、車いすでの座り方、移乗時のこすれを見直しましょう。
創部は、指示された方法で清潔を保ちましょう。ガーゼやドレッシング材を勝手にはがす、消毒薬を繰り返し使う、傷を乾かしすぎるなどは、治癒を妨げる場合があります。迷ったときは、処置前に訪問看護師や医師に確認しましょう。
食事量、水分摂取、排泄にも注意を払いましょう。褥瘡のケアは皮膚だけの問題ではなく、全身状態の影響を受けます。介護者の負担が大きい場合は、訪問看護や福祉用具、ショートステイなどの支援も検討しましょう。
まとめ

褥瘡は、仙骨部、尾骨部、踵、大転子部、坐骨部など、骨が突出し圧迫を受けやすい場所に生じやすい状態です。褥瘡ができやすい場所は、寝ている姿勢や座っている姿勢によって異なります。仰向けは仙骨部や踵、横向きは大転子部や外くるぶし、座位は坐骨部や尾骨部など、姿勢ごとに圧迫されやすい部位を確認しましょう。
予防は、体位変換、ポジショニング、体圧分散用具、スキンケア、栄養管理を組み合わせます。赤みを見つけたら、指押し法を目安に観察し、押しても消えない赤み、水ぶくれ、ただれ、浸出液、痛みがある場合は医師や看護師に相談しましょう。毎日の介護のなかで好発部位を確認し、気になる変化を記録して、医療・介護職と共有することが、褥瘡の悪化予防につながります。
参考文献
『褥瘡について』(日本褥瘡学会)
『褥瘡の予防について』(日本褥瘡学会)
『褥瘡診療ガイドライン第3版』(日本皮膚科学会)
『Revised National Pressure Ulcer Advisory Panel Pressure Injury Staging System』(Edsberg L.)

