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介護での効果的な転倒防止策|転倒の原因やリスク、予防介護グッズについても解説

介護での効果的な転倒防止策|転倒の原因やリスク、予防介護グッズについても解説

一般的に年を重ねるにつれて、筋力や認知機能の低下が生じることから、転倒のリスクは増加するといわれています。

若い世代の転倒と比べると、高齢の方の転倒は骨折や頭部外傷などの大けがにつながりやすく注意が必要です。

また、高齢の方の転倒事故は、約半数が住み慣れた自宅で発生しています。床に置かれた荷物やわずかな段差が原因で転倒するケースも少なくありません。

日常的に介護に関わる方にとって、どのような場面で転倒が起こりやすいのかを認識し、転倒予防の知識を身につけておくことが重要です。

この記事では、転倒の原因やリスク、また転倒防止策について解説します。さらに転倒防止策に利用できる補助金についても解説します。

介護における重大事故を防ぐためにも、どのような工夫ができるのかを一緒に考えていきましょう。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

高齢の方が転倒する原因とリスク

転倒して足を痛がる高齢者

高齢の方が転倒する主な原因を教えてください。

転倒の要因としては、大きく分けて2つの要因が挙げられます。1つ目は、加齢による内的要因です。加齢により筋力や平衡感覚の低下など身体的変化が生じることで、転倒リスクが増加するといわれています。また、神経や筋骨格系、循環器系の疾患といった身体的要因や薬物の影響により、転倒リスクの増加を招くことが考えられます。これらは、高齢になるほど増加し、改善が困難な要因です。2つ目は、段差や障害物、手すりの有無といった外的要因です。主に、高齢の方が生活する環境が要因であるため、要因の特定ができればその環境を改善することで転倒リスクの軽減が期待できます。

高齢の方が転倒しやすい環境を教えてください。

転倒が起こりやすい環境要因は、いくつか挙げられます。まず、住宅や施設、屋外の歩道などで日常的に目にする段差です。段差は、その大小に関わらずつまづいて転倒するリスクがあります。自宅にある畳とフローリングの境目などのわずかな段差も危険が潜んでいます。次に、濡れた床はすべりやすく、めくれ上がった絨毯や衝撃吸収マットなどはつまずいてしまう恐れがあるので注意しましょう。お風呂場などは、手すりを付けることで身体を支えられる場所を作っておくことも重要です。高齢の方の着衣や履物も大切です。特にフローリングの床を靴下だけで歩いたり、かかとのないスリッパを使用したりすると、非常に滑りやすく転倒の危険性が高まります。大きさの合わない履物は、すぐに脱げてしまいつまずきの原因となります。また、袖や裾が長い着衣は、どこかに引っかかってしまう恐れもあり危険です。慣れない場所では、手すりの位置や階段の段差の高さなどの空間認識に時間がかかり、転倒リスクが増加する恐れがあります。

高齢の方が転倒するとどのようなリスクがありますか?

高齢の方の転倒は、場合によっては命に関わる重大な事故につながり、注意が必要です。厚生労働省の人口動態統計によると、高齢の方の転倒や転落による死亡者数は、交通事故による死亡者数を大きく上回っています。そして、その数は高齢化の進行に伴い増加傾向にあります。高齢の方は、骨密度や筋力の低下により、転倒した際の骨折のリスクが高くなるのが特徴です。骨折する部位によっては寝たきりの状態になる可能性があるため、十分な注意が必要です。また、転倒時に頭を打った場合は、頭蓋内出血を引き起こすリスクがあります。高齢の方のなかには、血液を固まりにくくする抗凝固薬を処方されている方もいるので、出血が止まりにくく、危険な状態に陥るケースもあります。高齢の方の転倒は、若い方の転倒に比べて、生命に関わる重大事故になる可能性が高いことを意識しておきましょう。

介護における転倒防止策

椅子体操・運動する高齢者の男女と指導員

転倒を防止するためにはどのような環境作りをすべきですか?

高齢の方の転倒を予防するためには、転倒しにくい生活環境を整えることが大切です。まず、室内には障害物を置かず、段差をできるだけ作らないようにしましょう。例えば床に物を置かない心がけはもちろん、電気コードをまとめたり、段差予防シートを活用したりと工夫することで転倒するリスクを回避できます。夜間は暗い場所での転倒が起こりやすいため、足元灯や常夜灯を設置し、トイレまでの動線を明るく保つことも重要です。さらに、ベッドや椅子の高さを調整し、必要に応じて手すりを設置すると転倒リスクの低減につながります。床は、すべりにくい素材のマットや衝撃緩衝マットなどを活用するとよいでしょう。これらの対策は、高齢の方が安全に動ける環境を作るうえで、転倒予防の基礎となります。

転倒を予防する歩行介助の方法を教えてください。

歩行介助の安全性を保つためには、介助者の立ち位置と支え方が重要です。まず、立ち位置については、被介護者の斜め後ろが基本です。前方や後方だと、被介護者が倒れた際に、一緒に転倒する可能性があります。斜め後ろから被介護者の歩行リズムに合わせて、そっと支えてあげるように介助しましょう。片麻痺がある方の場合は、麻痺のある側の斜め後ろに立って介助するのが一般的な方法です。支え方については、被介護者の腰やベルト、あるいは肩甲骨の下あたりをそっと支えます。腕や手をつかむと、相手に圧迫感を与えてしまい、バランスを崩す原因になります。基本的には、小さなの力で寄り添うように支えてあげるのが適切な方法です。

転倒予防のための運動方法を教えてください。

転倒予防のためには、高齢の方のバランス能力と筋力を低下させないことが大切です。日本理学療法士協会より推奨されている転倒予防のトレーニングをご紹介します。まず、椅子からの立ち座り運動です。椅子から立ち上がり、続いて座るという立ち座りの動作を1セット10~15回として、2セット行いましょう。立ち上がり運動により、階段の昇降時に不可欠な太ももの筋肉を鍛えることができます。次に、片足立ち運動です。片足立ちを片足ずつ10秒、10~15回行います。立ったまま靴を履いたり脱いだりするのが困難だと感じるようになるのは、バランス能力が低下しているためです。この運動により、低下したバランス能力の向上が期待できます。また、転倒予防には頭と身体を同時に動かすことが大切です。足踏みを行いながら、5秒間思いついた言葉を声に出してみましょう。野菜や果物、地名などの思いついた言葉で構いません。5秒間を5セット行うと効果的です。前後ステップをしながら語想起運動をすることも有効です。無理のない範囲で試してみるとよいでしょう。

配信元: Medical DOC

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