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介護療養費とは?対象となるケースや申請方法、利用時の注意点をわかりやすく解説

介護療養費とは?対象となるケースや申請方法、利用時の注意点をわかりやすく解説

医療と介護の両方にお金がかかる時期は、家計の負担が重くなりがちです。窓口で支払う自己負担が積み重なり、年間で大きな金額になるケースも珍しくありません。

こうした負担をやわらげる仕組みのひとつが、高額医療・高額介護合算療養費制度です。なお、介護療養費という正式な制度名称は一般的ではなく、介護保険に関する複数の制度を指して使われることがあります。

本記事では高額介護合算療養費制度を取り上げ、対象となる世帯や申請の流れ、利用上の注意点を整理しています。ご家族の介護と医療を支える方は、手続きの参考にしてください。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護療養費とは

訪問介護する女性と高齢者

介護療養費とはどのような制度ですか?

介護療養費という言葉は、正式な制度の名称ではありません。介護保険に関わる複数の仕組みをまとめて、このように呼ぶケースがあります。ここで解説するのは、医療と介護の負担をやわらげる高額医療・高額介護合算療養費制度です。これは、医療保険と介護保険の1年間の自己負担を合算し、世帯ごとに定められた限度額を超えた分を払い戻す制度として設けられています。対象期間は毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。医療と介護の費用が重なり、家計の負担が大きくなった世帯を支える役割を担っています。

どのような場面で介護療養費が支給されますか?

高額介護合算療養費が支給されるのは、医療と介護の自己負担が同じ世帯で重なった場合です。同一の医療保険に加入する世帯のなかで、医療保険と介護保険の両方に自己負担が生じているケースが前提となります。そのうえで、1年間に支払った両者の自己負担を合算し、所得や年齢に応じた限度額を超えると支給の対象です。例えば、住民税非課税世帯では、年間の限度額が31万円に設定されています。医療で20万円、介護で15万円を支払った世帯なら、超過分の4万円が払い戻されます。

どのようなサービスが療養費の対象になるのか教えてください

合算の対象になるのは、医療保険と介護保険それぞれで支払った自己負担額です。医療では、病院や診療所、調剤薬局の窓口で負担した金額が含まれます。介護では、訪問介護やデイサービスなどの利用時に支払った負担分が対象です。一方、入院時の食費や居住費、差額ベッド代は合算に含められません。福祉用具の購入費や住宅改修費も、合算の対象から外れます。すでに高額療養費や高額介護サービス費として払い戻された分も、二重に計上されない仕組みです。

一度、全額自己負担しなければいけないことはありますか?

高額介護合算療養費は、費用の全額を立て替える仕組みではありません。日々のサービス利用時には、通常どおり1割から3割の自己負担を支払います。そのうえで、1年間に積み重なった自己負担の合計が限度額を超えたとき、超過分が後から払い戻されます。つまり、いったん、10割を支払う必要はなく、普段の負担割合のまま利用することが可能です。一時的に大きな金額を用意する場面は基本的に生じません。年間の支払いを終えてから、払い戻しの申請へ進む点を押さえておきましょう。

ケアプランに含まれていないサービスでも対象になりますか?

合算の対象になるのは、医療保険や介護保険の給付対象となった自己負担分に限られます。介護保険のサービスでは、保険が適用された利用分の負担額が合算に反映されます。一方、保険の適用を受けない全額自費のサービスは、合算の対象になりません。例えば、保険給付の枠を超えて利用した分や、保険外の自費サービスは計上の対象になりません。ケアプランの内容そのものよりも、保険給付を受けたかどうかが判断の分かれ目です。迷ったときは、ケアマネジャーや窓口へ確認しておきましょう。

介護療養費の申請方法

スーツ姿の女性と書類にサインする高齢者

介護療養費はどのように申請すればよいですか?

高額介護合算療養費の申請は、基準日にあたる7月31日時点で加入している医療保険者へ行います。まず、介護保険を担う市区町村へ自己負担額証明書の交付を申し込みます。市区町村から証明書が届いたら、加入先の医療保険者へ支給申請書とあわせて提出してください。提出を受けた医療保険者と市区町村が、自己負担額の比率に応じて支給額を計算します。その後、医療保険からは高額介護合算療養費、介護保険からは高額医療合算介護サービス費として払い戻されます。

介護療養費の申請に必要なものを教えてください

申請の前に、いくつかの書類をそろえる準備が必要です。中心となるのは、高額介護合算療養費の支給申請書です。あわせて、市区町村が交付する自己負担額証明書も提出します。本人確認のためのマイナンバーがわかる書類や、振込先の口座を確認できる通帳の写しなども求められます。年度の途中で医療保険や介護保険が変わった世帯では、変更前の保険者が発行する証明書も必要です。書類の名称や様式は保険者ごとに異なるため、申請前に窓口で直近の内容を確認しておきましょう。

申請から支給までかかる期間はどのくらいですか?

支給までにかかる期間は、申請から3ヶ月から5ヶ月程度が目安です。医療と介護の自己負担額は、10月以降に確定する流れになっています。確定後は保険者間で計算と按分を行うため、給付まで一定の期間が必要です。自治体によっては、対象となりそうな世帯へ12月頃から申請の案内を送付しています。案内が届いたら、早めに手続きを進めると支給までの流れがスムーズです。具体的な時期は、加入先の医療保険者や市区町村の窓口で確認しておきましょう。

配信元: Medical DOC

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