●ストレスで難聴に…我慢強いられる長期受刑者
10年以上の懲役刑に服した経験のある元受刑者らによると、短期受刑者は出所の見通しがある一方、無期懲役刑(現在の法律では無期拘禁刑にあたる)などの長期受刑者は、一度の規律違反によって仮釈放が遠のくという。
そのため、短期受刑者が長期受刑者に対して、わざと怒らせるようなことをしたり、いじめたりするなどの言動をとることが珍しくなく、そんな中でも長期受刑者は我慢を強いられやすいという。
冒頭の女性は、こう説明する。
「理不尽なことがあっても、喧嘩両成敗になります。自分が悪くなくてもお互いに懲罰を受けるので、こちらの言い分を聞いてもらえたとしても、懲罰になったら、実質的に仮釈放の判断に響きます」
閉ざされた環境の中でストレスを抱える受刑者は少なくないようだ。
現在、ある女子刑務所に服役中の女性受刑者は、刑務所に収容された後、難聴の症状が出たといい、手紙の中でこうつづっていた。
「部屋が1人ではないので、多少ストレスはあります。基本穏やかと言われる私もバトルしました」
●医療の貧弱さ「すぐに医師の診察受けられない」
性別を問わず、刑務所でしばしば指摘されるのが、医療体制の問題だ。
元受刑者の女性は「体調を崩しても、すぐには診てもらえなかった」と振り返る。
「『具合が悪い』と申し出ると、まず詐病を疑われます。いきなり医師の診察を受けることはできず、担当の刑務官や医務担当の幹部職員が問診や診察をします。
本当に具合が悪かったとしても、すぐに医師の診察を受けることはできません。見てわかるような病気でも、医師が常駐しているわけではないので、すぐには診てもらえないんです。
歯科治療などは本当に最悪で、虫歯はすべて抜かれます。短期刑の場合は、歯を抜かれるのがわかっているので、受刑者は痛みに耐えて、娑婆に戻ってから治療を受ける人が多いです」
筆者が手紙をやり取りしている別の女性受刑者も「効かない薬を処方され、症状が酷くなるだけだった」と漏らした。


