「在宅医療」では実際には何をしてくれるの? 現場の医師が語る『在宅医療の役割』

「在宅医療」では実際には何をしてくれるの? 現場の医師が語る『在宅医療の役割』

在宅医療を始めたい。開始までの流れを教えて

在宅医療を始めたい。開始までの流れを教えて

編集部

在宅医療を始めたいと思ったら、まずどこに相談すればよいですか?

市川先生

まずは、現在通っている医療機関の担当医に相談してください。医師にどう相談すればよいか分からない場合は、地域包括支援センターや、介護保険を利用している人であればケアマネジャーに相談すると、状況に応じたアドバイスを受けられます。また、入院中の場合は退院支援を担当するスタッフに相談する方法もあります。
通院が負担になってきた、退院後の生活に不安がある、自宅で療養したいといった希望を早めに伝えておくと、在宅医療への移行を具体的に検討しやすくなります。「こういう生活がしたい」という思いも含めて、少しでも気になる点があれば相談してください。

編集部

在宅医療を始める前には、どのような準備が必要ですか?

市川先生

訪問診療に対応できる「かかりつけ医」を決めることから始まります。まずは、現在通院中の医療機関で相談してください。そのうえで、自宅でどのような医療を受けられるのか、どのような医療・介護サポートが必要になるのかについて、医師と具体的に相談しながら進めます。あわせてケアマネジャーとも連携し、訪問看護や介護サービスの導入など必要な支援を調整します。こうした準備を進めると、安心して在宅療養を始められます。

編集部

在宅医療は、申し込めばすぐに始められるのでしょうか?

市川先生

医療機関や地域の状況によって、すぐに開始できる場合もあれば、調整に数日から数週間程度かかる場合もあります。ただし、体調の変化などで早めの対応が必要な場合には、状況に応じてできるだけ早く開始できるよう調整されます。
いずれにしても、まずは現在の体調や生活の状況、困っていることなどを、医療機関やケアマネジャーなどの関係者に伝えてください。早めに相談しておくと、患者さんに合った形でスムーズに在宅医療へ移行できます。

編集部

在宅医療をスムーズに始めるために、本人や家族が意識するとよいことはありますか?

市川先生

大切なのは、「どこで、どのように過ごしたいか」を患者さん本人や家族で、元気なうちから少しずつ話し合っておく姿勢です。住み慣れた自宅でなるべく過ごしたい、自宅療養には不安があるため施設も検討したいなど、考え方や希望は人それぞれです。
また、多くの医療やケアを自宅で受けられるものの、いざというときに病院での治療や入院を希望するのか、それとも自宅で過ごすことを優先したいのかについても、あらかじめ考えておくとよいでしょう。こうした選択に正解はなく、そのときの状況によって気持ちが変わる場合もあります。しかし、あらかじめ話し合っておくと、その人らしい選択につながりやすくなります。

編集部

最後に読者へのメッセージをお願いします。

市川先生

通院が少し大変になってきた、退院後の生活に不安がある——そうしたときに「在宅医療がある」と知っているだけでも、安心につながるのではないでしょうか。在宅医療では、医師だけでなく多職種のチームで、病気だけでなくその人の暮らしや人生に寄り添いながら支える医療を大切にしています。また、「どこで、どのように過ごしたいか」を一緒に考えていく医療でもあります。どうぞ、お気軽に相談していただければと思います。

編集部まとめ

高齢化が進むにつれて、在宅医療のニーズが高まっています。スムーズに在宅医療へ移行するには、「いざ」というときのために、健康なうちから家族で話し合っておく姿勢が大切です。

配信元: Medical DOC

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