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「豊かな子は自衛隊にならない」国会発言が波紋…予備自衛官の弁護士「認識はかなり古い」

「豊かな子は自衛隊にならない」国会発言が波紋…予備自衛官の弁護士「認識はかなり古い」

現場を知る自衛官は、この発言をどう受け止めたのか。

6月15日の参議院決算委員会で、立憲民主党の古賀千景参院議員が「自衛隊に行く子どもたちって、経済的に厳しい子どもたちが行くんですよ。豊かな子どもたちは自衛隊とかなりませんよ」と発言し、大きな波紋を広げた。

これに対して、出席していた小泉進次郎防衛相は「自衛官の子どもたちへの配慮に欠ける発言だったのではないでしょうか。自衛官の子どもたち、みんな貧しい家庭の子しかいないと……それは事実誤認だと思います」と反論。

古賀議員はその場で「私の発言が申し訳なかった。撤回させていただきます」と述べた。

質疑の模様はXなどで拡散され、自衛官やその家族を傷つけかねない発言だとして党内外から批判が相次いだ。

古賀議員は翌16日、「配慮を欠いた不適切な表現がありました」と謝罪文を公表。立憲民主党も古賀議員への厳重注意処分と文教科学委員会の筆頭理事の解任を発表した。

この発言は法的にはどう評価されるのか。また、現在の自衛隊員の実情と照らしてはどう受け止めるべきなのか。陸上自衛隊の予備自衛官でもある澤井康生弁護士に見解を聞いた。

●名誉毀損に問われる可能性は低い

法的な整理としては、国会議員が国会質疑で差別的・不適切な発言をしたとしても、特定の個人を対象としていない以上、名誉毀損にはなりません。

さらに国会議員には憲法上の免責特権があるため、名誉毀損による責任が認められる場面は極めて限定されています。

最高裁は、国会議員が職務と関わりなく違法または不当な目的で事実を摘示したり、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、付与された権限の趣旨に明らかに反する「特別の事情」があることが必要としています(最高裁平成9年9月9日判決)。   したがって、今回のケースで、古賀議員が名誉毀損による責任を負うことはないでしょう。

●現在の実態にあてはまらない

今回の発言は、古賀議員自身の過去の経験に基づく発言だったのかもしれません。しかし、その経験は限られた時代・範囲のものであり、現在の自衛隊の実態にはあてはまらないと思います。

たしかに昭和の時代には、就職先が見つからなかった中卒・高卒の若者が「運転免許を取得できる」などの理由で自衛隊に入隊していたという話はよく聞きました。

しかし、そうした若者の家庭が必ずしも経済的に困窮していたとはいえません。入隊の動機と家庭の経済状況を結びつける客観的な根拠はなく、「自衛隊に入隊する若者は家庭が貧しい」という一般化はできないでしょう。

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