「なんとなくだるい」「食欲がわかない」——そんな夏の不調を、単なる暑さのせいにしていませんか。
今年の夏は太平洋高気圧とチベット高気圧が重なる「ダブル高気圧」により、9月まで猛烈な暑さが続く可能性があると予測されており、最高気温40℃を超える「酷暑日」への備えが必要とされています。そんな中、注目されているのが「酢酸菌にごり酢」です。2026年6月23日、「酢酸菌ライフ」主催のメディアセミナーが開かれ、医師や研究者らが酷暑時代の体づくりとにごり酢の可能性について語りました。
酷暑が引き起こす現代の病「免疫バテ」とは?
ウェザーニューズの予報(「夏の小売需要傾向2026」)では、今夏は熱帯太平洋でのエルニーニョ現象とインド洋の正のダイポールモード現象が重なり、「ダブル高気圧」により最高気温40℃超えの日が相次ぐ可能性があるとされています。さらに環境省などのデータを基にした資料によると、東京都の暑さ指数(WBGT)31以上の時間数は2023〜2025年が歴代最多クラスで、過去16年平均の約2.2〜2.9倍に達しています。酷暑はもはや、私たちの日常になりつつあるのです。

そこで懸念されるのが、単なる夏バテを超えた体調不良です。イシハラクリニック副院長の石原新菜先生によると、夏バテの正体は、疲労の蓄積・食欲不振・免疫の低下が互いを悪化させる「負のスパイラル」にあります。その中でも特に見落としがちなのが「免疫バテ」です。

暑さで体温を下げようとすると腸への血流が減少し、腸のバリア機能が弱まります。腸は全身の免疫細胞の約7割が集まる器官であるため、ここが弱ると免疫機能が一気に落ち込んでしまいます。さらに、最新の研究データ(Lin et al., Energy & Buildings, 2024)によると、暑さによって皮膚表面温度が32℃から35℃に上昇するだけで、体を守る免疫抗体(S-IgA)は約7分の1にまで低下するとされています。

石原先生は、この負のスパイラルをまとめて断ち切る手段として「酢酸菌にごり酢」の摂取を推奨しています。その理由は、酢酸菌が持つ独自の「免疫スイッチ」の働きにあります。
「菌を摂ることで免疫スイッチが押され、私たちの免疫バランスが整えられます」と話す石原先生。
実は、酢酸菌は他の健康菌と比べても非常にユニークな特徴を持っています。
「乳酸菌や納豆菌が押せる免疫スイッチは1つだけですが、酢酸菌は免疫細胞を活性化する2つのスイッチ(TLR2とTLR4)を同時に押すことができます。2つのスイッチを同時に刺激できるからこそ、より効率よく免疫バランスを整えることができるのです」と説明しました。

「にごり酢」は、本来のお酢の姿
続いて、東京農業大学の前橋健二教授が、食文化の視点からお酢の役割を解説しました。

酸味は通常「危険のサイン」として脳が認識するものですが、夏場や疲労時には不思議と「心地よい」と感じるように変化するとされています。「夏に酸っぱいものを欲するのは、体が回復を求めて発しているサインなのです」と前橋先生は指摘します。
お酢は世界最古の調味料であり、江戸時代には「邪気を払うもの(食べる厄払い)」として健康維持に用いられてきました 。しかし現代では、ろ過の技術が進んだことで、お酢の本来の姿であり、かつ健康成分である「酢酸菌」が取り除かれてしまっているケースがほとんどです 。ろ過する前の、あえて酢酸菌を豊富に残した状態のお酢が、いま注目されている「にごり酢」であり、これこそが本来のお酢の姿なのだそうです。

一方で、日本の家庭における「お酢離れ」も深刻です。総務省の家計調査によると、1世帯あたりの食酢購入量は2004年のピーク時(3,285ml)から2024年には1,350mlと約半減しています。背景にあるのは、若者を中心に定着してしまった「お酢=ツンとして酸っぱすぎる」というネガティブな先入観です。前橋先生は「お酢が持つ素晴らしい健康効果が、このイメージのせいで知られていないのは本当にもったいない」と、現代の“お酢離れ”に強い危機感をにじませました。

