介護中に、離れている間の様子が心配だったり、夜間に何回も確認に行くのがつらかったりすると感じるご家族は少なくありません。
介護の見守りカメラは、自宅や離れた場所から本人の様子を確認できる機器です。ただし、便利な反面、本人の気持ちやプライバシーへの配慮も欠かせません。
当記事では、介護の見守りカメラのメリットやデメリット、選び方、設置方法、介護保険の適用について解説します。

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
介護の見守りカメラのメリットとデメリット

介護の見守りカメラとはどういうものですか?
介護の見守りカメラとは、高齢の方や要介護者の様子を映像で確認するための機器です。スマートフォンやタブレットから、室内の状態を確認できます。製品によっては、夜間撮影や動体検知、音声通話、録画などの機能を備えたものもあるでしょう。転倒や起き上がりの異変に早く気付くための補助として使われる場合もあります。ただし、見守りカメラは介護そのものを代行する機器ではありません。本人の異変に気付きやすくするための補助的な道具と考えるとよいでしょう。
介護の見守りカメラのメリットを教えてください。
大きなメリットは、離れていても本人の安否確認がしやすくなる点です。仕事中や外出中でも、必要なタイミングで様子を確認しやすくなります。夜間の見守りにも役立つでしょう。何度も部屋を訪れなくても、起き上がりや転倒の兆候を確認しやすくなるためです。同居していない家族が、介護に関わりやすくなる点も利点といえます。遠方の家族が状況を把握できれば、主介護者だけに負担が集中しにくくなるでしょう。厚生労働省の介護ロボット活用事例でも、見守りシステムによって不要な訪問が減り、職員の身体的・精神的負担が軽減された例が紹介されています。家庭でも、確認の手間や不安を減らすきっかけになります。
介護の見守りカメラのデメリットを教えてください。
デメリットは、本人が監視されているように感じる可能性があることです。安全のためでも、生活空間を撮影されることに抵抗を覚える方はいます。特に寝室や着替えをする場所は、本人の尊厳に関わる空間です。設置場所を誤ると、家族間の信頼関係を損ねるおそれがあります。個人情報保護委員会の資料では、顔が鮮明に映り個人を識別できる画像は、個人情報として扱うことになると示されています。映像を扱う以上、家庭内でもプライバシーへの配慮は欠かせません。録画の有無や保存期間、閲覧できる家族の範囲も事前に決めておきましょう。便利さだけで導入せず、本人の生活を守る視点が必要です。
見守りカメラを設置するために要介護者の承諾は必要ですか?
本人に判断能力がある場合は、事前に説明し同意を得ることが望まれます。法律上の同意だけでなく、本人が納得して利用できるかも重要です。説明するときは、監視するためではなく転倒や体調の変化に早く気付くためと伝えましょう。目的を具体的に話すと、本人も受け入れやすくなります。認知症などで判断が難しい場合でも、家族だけで一方的に決めることは避けましょう。ケアマネジャーや介護職に相談し、本人の尊厳を守れる方法を検討しましょう。厚生労働省の資料でも、通信機能を備えた福祉用具の導入では、必要性や活用方法、個人情報の取り扱いについて説明する必要性が示されています。設置後に本人が不快感を示す場合は、設置場所や運用方法を見直しましょう。
介護の見守りカメラの選び方と設置方法

介護で使える見守りカメラはどこで購入できますか?
介護で使える見守りカメラは、家電量販店やインターネット通販で購入できます。防犯カメラやペットカメラとして販売されている製品を、介護目的で使うケースも少なくありません。介護用品店や福祉用具事業者に相談できる場合もあります。介護状態に合う機器を選びたい場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員への相談が有効です。購入前には、返品やサポート体制も確認しましょう。初期設定が複雑な製品は、導入時に操作に戸惑う場合があります。
介護の見守りカメラの選び方のポイントを教えてください。
選ぶ際は、まず何を確認したいのかを明確にするとよいでしょう。転倒対策を重視するのか、夜間の起き上がり確認を優先するのかで必要な機能は異なります。リビング全体を確認したい場合は、広角レンズや首振り機能を備えた製品が適しています。夜間の様子を確認したい場合は、暗所撮影機能の有無を確認しましょう。映像の見やすさも大切です。顔色や動きがわかりにくいと、異変に気付く補助として使いにくくなります。最低限の画質は確認しておきたいところです。音声通話機能があれば、離れた場所から声をかけられます。ただし、突然話しかけると不安を感じる方もいるため、使用方法は本人と相談して決めましょう。
設置方法や設置の注意点などを教えてください。
見守りカメラは、本人の生活動線が見える位置に設置します。転倒リスクが高い場所や、ベッド周辺を中心に設置場所を検討しましょう。具体的にはベッド横や廊下、玄関付近など転倒リスクが高い場所に設置されることが多いようです。一方で、生活のすべてが映る位置は避けた方が無難です。必要な範囲だけを映すことで、本人の心理的負担を軽減しやすくなります。設置場所は、本人の視界に入りすぎない高さや角度を選びます。落下の危険がある棚の端や、コードに足を引っかける場所は避けましょう。カメラは設置後も定期的に映像の範囲を確認する必要があります。実際の映像を確認し、不要な範囲まで映っていないかを見直しましょう。
介護の見守りカメラはWi-Fiがなくても使えますか?
見守りカメラの多くは、インターネット接続を前提としています。外出先から映像を確認するには、自宅のWi-Fi環境が必要な製品が一般的です。Wi-Fi環境がない場合は、SIMカード対応型やモバイル回線対応型を検討しましょう。ただし、通信料や対応エリアを確認する必要があります。映像を安定して確認するには、通信環境が重要です。通信が不安定な場合、録画の停止や通知遅延が発生する可能性があります。導入前には、自宅の電波状況を確認しましょう。特に寝室や離れた部屋では、Wi-Fiの電波が届きにくい場合があります。

