人間ドックで性病検査はできる?メディカルドック監修医が、人間ドックのオプションで分かる性病、そして正しい検査を受けるための受診先について解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
人間ドックとは?健康診断と何が違う?
人間ドックは、病気の早期発見や生活習慣病の予防を目的として行われる総合的な健康チェックです。一般的な健康診断よりも検査項目が多く、血液検査・尿検査・胸部X線・胃カメラ・腹部超音波検査などを組み合わせて全身を確認します。一方、会社の定期健康診断は労働安全衛生法に基づく検査であり、最低限必要な項目を確認する目的があります。そのため、人間ドックの方がより詳しい検査を受けられるケースが多いとされています。ただし、人間ドックは主に生活習慣病やがんなどの早期発見を目的としているため、性感染症の検査は標準項目に含まれていないことが一般的です。
人間ドックの基本項目で性感染症・性病は調べられる?
人間ドックでは血液検査や尿検査が行われますが、通常コースだけで性感染症を正確に診断することは難しい場合があります。性感染症を調べたい場合には、専用のオプション検査や専門医療機関での検査が必要になることがあります。
通常の人間ドックには性感染症の検査が含まれていない理由
感染症は時間で病態が変化し、自覚症状が現れやすいため、人間ドック健診項目には適さないものが多いとされています。性感染症も同様に、感染後の経過によって検査結果が変化する病気が多く、感染初期には異常が検出されない場合があります。また、感染部位によって必要な検査方法が異なるため、一般的な健診項目として一律に組み込むことが難しいとされています。さらに、性感染症は症状の有無や感染機会など個別性が大きいため、必要に応じて検査を選択する形式が採用されています。そのため、人間ドックではオプション検査として提供されることが一般的です。
通常の尿検査や血液検査では性感染症は判別できない
人間ドックの尿検査では、尿蛋白・尿糖・潜血などを確認し、腎臓病や糖尿病の可能性を調べます。しかし、通常の尿検査だけでクラミジアや淋菌感染症を診断することはできません。また、一般的な血液検査でも炎症反応や肝機能異常が分かることはありますが、それだけで性感染症を特定することは困難です。性感染症の診断には、病原体を直接確認する検査や抗体検査など、専用の検査が必要になります。

