リコピンに期待される働き

抗酸化作用
私たちの体は酸素を利用してエネルギーを作り出しており、活性酸素はヒトが酸素を利用して生きて行く上で必ず生成されます。通常、活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃するなどの大切な役割を担っています。しかし過剰に生成された活性酸素は、その強い酸化力により正常な細胞を破壊し、体のさまざまな組織にダメージを与えると考えられています。リコピンはこうした活性酸素に対して働く可能性がある成分として研究されており、抗酸化作用に関する報告もみられます。
血中脂質との関連
コレステロールは、人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料となっています。生活習慣病の因子として取り上げられているのは、たんぱく質などと結合しリポたんぱく質として血液中に溶け込んでいるコレステロールです。リポたんぱく質には、肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割をもつLDLと、体内の血管壁に溜まったコレステロールを肝臓に運ぶ役割をもつHDLがあります。これらのバランスが乱れた状態が続くと、健康リスクが高まる可能性があります。研究ではリコピンの摂取と血中脂質に関する指標との関連が検討されており、食生活の中でリコピンを含む食品を取り入れることが一つの選択肢として紹介されています。
肌の健康維持
リコピンには紫外線などの外的要因によるダメージから肌を守る働きが期待され、美容を意識する方からも関心を集めています。肌の健康維持をサポートする栄養素として研究が進められています。
血糖値との関連
リコピンのもつ抗酸化作用に着目し、血糖値や関連指標との関係を検討した研究があります。特定の集団を対象とした研究では、一定期間の摂取後に指標の変化がみられた例が報告されています。ただし、食品としてのリコピンが特定の症状に対し効果を示すものではありません。
リコピンの多い食品ランキング

食品100gあたりに含まれるリコピンの含有量を紹介します。なお日本食品標準成分表での表示がないため、米国農務省(USDA)が発表しているFoodData Centralより、身近な食品でランキングを作成しています。
リコピンの多い食品1位トマト加工品
トマトペーストには28.8mgと、非常に多くのリコピンが含まれています。ほかにもトマトソース13.9mg、ケチャップ12.0mg、トマトジュース9.0mgと続きます。これらの加工品では完熟トマトを濃縮して作られるため、生のトマトより圧倒的に高い含有量になるのが特徴です。ただし、製品によっては塩分や糖分が多く含まれている場合があるため、大量摂取は避け、適量を心がけることが大切です。
リコピンの多い食品2位スイカ
食べられる季節は限られていますが、ミニトマトやトマト生より多くのリコピンを含む食品です。赤肉部分に多く、4.5mg含まれています。カットスイカを選ぶ場合は皮の近くまで赤く、熟したものを選ぶとより多くのリコピンが摂取できます。
リコピンの多い食品3位ミニトマト
ミニトマトには4.1mg含まれていますが、品種や完熟度によって含有量は大きく変動します。リコピンは身より皮の部分に多く含まれています。同量を比べた場合、ミニトマトの方が通常のトマトに比べ皮の割合が多いため、含有量が多くなる傾向にあります。
リコピンの多い食品4位トマト生
トマト生には2.9mg含まれています。ミニトマト同様、品種や完熟度によって含有量は大きく変動します。
リコピンの多い食品5位ピンクグレープフルーツ
赤肉種に1.4mg含まれています。白肉種にはほとんど含まれていないため、赤肉種を選ぶとよいでしょう。そのまま食べるだけでなく、ジュースなどでも手軽に摂取できます。

