「橋本病」を発症すると「爪」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】

「橋本病」を発症すると「爪」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】

橋本病の爪についてよくある質問

橋本病の爪についてよくある質問

橋本病の治療で爪の症状は改善しますか?

橋本病による甲状腺機能低下が原因であれば、治療を続けることで爪の症状が改善する可能性があります。レボチロキシンナトリウムを継続して服用し、甲状腺ホルモンの状態が整うと、全身の代謝が回復します。それに伴い、皮膚の乾燥やむくみ、脱毛などが和らぎ、爪の根元にある爪母の働きも少しずつ整います。

ただし、爪はすぐに生え代わる組織ではありません。手の爪は健康な状態でも1日に約0.1mm、1ヶ月に約3mmの速度で伸びるため、薬を飲み始めてすぐに今ある爪の割れや乾燥が消えるわけではありません。足の爪はさらに伸びる速度が遅くなります。根元から新しい爪に入れ替わるまでには、手の爪で約半年、足の爪は約1年かかります。自己判断で薬を中断せず、治療と保湿ケアを続けましょう。

橋本病で爪の症状だけが先に現れることはありますか?

橋本病で爪の異常だけが単独で初期症状として現れることはまれですが、爪の変化をきっかけに甲状腺機能低下症に気付くことはあります。通常、甲状腺ホルモンが不足すると、無気力、疲れやすさ、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、顔や手足のむくみ、脈が遅くなるといった全身症状が先に、または同時にみられます。

一方で、これらの症状は年齢や疲労、更年期、冷え性などと受け止められ、見過ごされることがあります。そのため、爪がよく割れる、ツヤがなくなった、二枚爪が続くといった目にみえる変化に先に気付き、受診をきっかけに橋本病による甲状腺機能低下症が判明することもあります。爪だけで判断せず、全身の変化と併せてみることがポイントです。

編集部まとめ

編集部まとめ

橋本病によって甲状腺機能低下症になると、全身の代謝が低下し、その影響が皮膚や毛髪だけでなく爪にも及ぶことがあります。甲状腺ホルモンの不足により、爪を作る働きや指先の血流が低下し、さらに乾燥が加わることで、爪はもろく割れやすくなります。ツヤがなくなる、縦筋が目立つ、二枚爪になる、伸びるスピードが遅いといった変化がみられることもあります。
爪の改善には、原因となる甲状腺機能低下症の治療を続けることが欠かせません。主治医の指示どおりに甲状腺ホルモン薬を服用しながら、保湿、爪やすりの使用、水仕事での手袋の着用など、爪に負担をかけにくいケアを続けます。爪の変色や変形が強い、痛みや化膿がある、倦怠感やむくみなどの全身症状が続く場合は、自己判断で放置せず、内分泌内科や皮膚科で相談してください。

参考文献

『慢性甲状腺炎(橋本病)の診断ガイドライン』(日本甲状腺学会)

『橋本病(慢性甲状腺炎)』(日本内分泌学会)

『甲状腺機能低下症と甲状腺粘液水腫性昏睡』(日本内科学会雑誌)

『全身性疾患に伴ってみられる爪の変化』(杏林医学会誌)

配信元: Medical DOC

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