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【マーク・ロスコ】カラフルな四角「だけ」の絵はこう見る!抽象芸術を楽しめるようになるコツを紹介

「わかる」必要はない

ここで少しだけ、身体の話をしてみます。ロスコの絵を考えるうえで、意外と大事なのは「頭で理解する」より先に「身体が反応する」という感覚だからです。

美術館で実物の前に立つと、つい「これは何を表現しているんだろう」と考えてしまいます。意味を見つけて、言葉にして、納得したい。でもロスコの絵に関しては、そうしたアプローチを外す必要があるかもしれません。フランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティは、人間の身体について面白いことを言っています。

モーリス・メルロ=ポンティ(1908–1961)。「身体の現象学」で知られるフランスの哲学者。私たちの身体は頭で考えるより先に世界を感じ取っていると説いた。, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons.

たとえば熱いマグカップにうっかり触れたとき、「熱い」と頭で判断する前に、手はもう離れている。身体は頭の命令を待たずに、すでに身体自身が世界を感じ取っているのです。

ロスコの絵の前で起きていることも、これに近いのかもしれません。視界全体に色が広がった瞬間、「きれい」や「暗い」と判断するよりも早く、もう身体の方が反応を始める。胸が詰まったり、呼吸が少し変わったり、涙が出る人もいます。もちろん何も起きなかったという人もいるでしょう。それはそれで構わない。

ただ「意味を探そう」とする頭のモードを少し緩めたほうが、色は身体に届きやすくなります。これが抽象画を前にしたときのコツかもしれません。

まずは近づいてみる

ロスコの絵を「わからない」と感じたとしても、何もおかしくありません。むしろ普通の反応です。ロスコの絵は「近くで、静かに、色に囲まれる」という条件が揃って初めて届くようにできているため、スマホを見てピンとこないのは当然のことです。

もし美術館で実物に出会う機会があったら、一つだけ試してみてください。45センチまで寄って、意味を考えるのをやめて、ただ色を見る。その距離感だからこそ、画面越しでは届かなかった何かを感じるはずです。

配信元: イロハニアート

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