糖尿病の入院についてよくある質問

仕事を続けながら入院することはできるのでしょうか?
予定された教育入院や血糖管理目的の入院であれば、仕事の予定と調整しながら入院日を決められる場合があります。ただし、糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態、重い低血糖、強い脱水、感染症などが疑われるときは、仕事よりも医療対応を優先する必要があります。仕事を続けながら治療するうえで大切なのは、入院の目的を明確にすることです。教育入院であれば、退院後の血糖管理を仕事中でも続けられるように、勤務時間、食事のタイミング、夜勤の有無、運転や危険作業の有無、低血糖のときに休める環境を医療者に伝えてください。業務内容によっては、薬の調整や食事時間の工夫が必要になる場合があります。
就労中に低血糖が起こりやすい方は、補食の置き場所、休憩の取り方、運転前の血糖確認、周囲へ伝える範囲も相談します。夜勤や不規則勤務がある方は、食事時間や睡眠時間が変わるため、退院前に勤務表をもとに薬の使い方を確認するとよいでしょう。
入院前に準備しておくとよいことはありますか?
予定入院の場合は、現在使っている薬、お薬手帳、血糖測定器、血糖値の記録、健康保険証またはマイナ保険証、限度額適用に関する情報を準備しておくとよいでしょう。薬は、糖尿病薬だけでなく、血圧、脂質、心臓、腎臓、睡眠、痛み止めなどの薬も含めて伝える必要があります。サプリメントや市販薬を使っている場合も医療者に知らせてください。
入院前には、普段の食事内容、運動量、飲酒、間食、低血糖の頻度、血糖値が乱れやすい場面をメモしておくと役立ちます。医療者は、その情報をもとに、患者さん一人ひとりの生活に合わせた治療方法を考えます。血糖値の数字だけでなく、どのようなときに上がるのか、どのようなときに下がるのかを確認することが大切です。
食事が取れないときや発熱、下痢、嘔吐があるときの対応も確認しておきましょう。このような状態はシックデイと呼ばれ、糖尿病の方は血糖値が乱れやすくなります。自己判断で薬やインスリンを中止すると危険な場合があります。主治医から、具合が悪いときの薬の扱い、受診の目安、水分補給、血糖測定の回数を聞いておくとよいでしょう。
入院前に不安なことがあれば、質問を紙やスマートフォンに書いてください。費用、入院期間、食事、面会、仕事、退院後の通院、運動再開の時期など、気になる点は早めに確認しましょう。準備の目的は、入院中に医療者と情報を共有し、退院後に続けられる治療へつなげることです。
参照:
『糖尿病診療ガイドライン2024』(日本糖尿病学会)
『高額療養費制度を利用される皆さまへ』(厚生労働省)
編集部まとめ

糖尿病で入院が必要になるのは、血糖値が高いときだけではありません。教育入院のように自己管理を学ぶ目的の入院もあれば、糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖状態のように、早急な治療が必要な入院もあります。口渇、多飲、多尿、強い倦怠感、嘔吐、水分が取れない、意識がもうろうとする、呼吸が深く大きいなどの症状があるときは、早めに医療機関へ相談してください。
入院期間は、目的や病状によって異なります。教育入院は数日から2週間前後のことがありますが、血糖管理や急性の悪化、感染症や合併症の有無によって長くなる場合があります。費用も、入院日数、治療内容、健康保険の自己負担割合、差額ベッド代などで変わります。入院前に、高額療養費制度、限度額適用認定証、マイナ保険証の利用について確認しておくとよいでしょう。
参考文献
『糖尿病診療ガイドライン2024』(日本糖尿病学会)
『糖尿病診療ガイドライン2024 1章 糖尿病診断の指針』(日本糖尿病学会)
『糖尿病診療ガイドライン2024 7章 糖尿病の自己管理教育と治療支援』(日本糖尿病学会)
『糖尿病診療ガイドライン2024 20章 糖尿病における急性代謝失調・シックデイ』(日本糖尿病学会)
『高額療養費制度を利用される皆さまへ』(厚生労働省)
『我が国の医療保険について』(厚生労働省)
- 「食後の血糖値」が上がりやすい行動はご存知ですか?上がりやすい食べ物も解説!
──────────── - 沈黙の臓器「肝臓」からのSOSは『皮膚・口臭・お腹』に表れる? 手遅れになる前に気付く“7つのサイン”
──────────── - 【要注意】放置で透析リスク増大!慢性腎臓病の「ステージ別」通院費用と家計を守る3つの制度
────────────

