肺がんの手術後の生存率が高くない理由はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が肺がんの手術後の生存率が高くない理由について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「肺がんの手術後の生存率」はどのぐらい?外科治療の対象となるケースも解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
山本 康博(MYメディカルクリニック横浜みなとみらい)
東京大学医学部医学科卒業 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医 日本内科学会認定総合内科専門医
肺がんとは
肺がんとは、肺の内部にある肺胞や気管支の細胞が、がん化して起こる病気です。肺がんの種類(組織型)は4つあります。
小細胞がん
腺がん
大細胞がん
扁平上皮がん
肺がんは4つの種類のなかでも小細胞がんとそれ以外のがんに分けて扱うため、それぞれ解説します。
小細胞がん
ほかの組織型のがんより転移しやすく病気の進行が早いことが特徴で、肺の入り口(肺門)と肺の奥(肺野)のどちらにも発生するがんです。タバコとの関連性が強いといわれており、肺がんに占める割合は10%程です。
手術可能な時期に発見するのが難しい傾向にあり、発見されたときには病気が進行していることがあります。
非小細胞がん
非小細胞がんには3つの種類があります。
腺がん…50〜60%を占めており、肺の奥(肺野)に発症
扁平上皮がん…25〜30%を占めており、肺の入り口(肺門)に発症
大細胞がん…5%程度で、小細胞がんや非小細胞がんに分類されないもの
小細胞がん以外の肺がんを総称して非小細胞がんと呼びます。もっとも一般的な肺がんで、手術による治療が一般的です。
徐々に進行していく非小細胞がんは、初期症状が現れにくいため発見が遅れる傾向にあり、発覚した時点でほかの臓器に転移していることもあります。
肺がんの手術後の生存率が高くない理由
肺がんの手術を受けたり化学療法や放射線治療を受けたりした後の生存率が高くない理由は、以下の3つです。
初期発見が難しい
ほかの臓器に転移しやすい
小細胞がんの悪性度が高い
初期発見が難しい
肺がんの初期には身体症状が出にくく、気付いたときには病気が進行している場合も少なくありません。
まったく気付かないうちに病気が進行していることも、肺がんでは珍しくなく、体調に異変を感じたら医療機関を受診することが大切です。
ほかの臓器に転移しやすい
肺には全身に空気を送るための血管と、全身の免疫機能を支えるリンパが集まっている臓器です。そのため、肺にできたがん細胞が血液やリンパの流れに乗って身体中に広がり、血液を介した血行性転移やリンパを介したリンパ行性転移が起こります。
血行性転移では脳や骨、肝臓や副腎に転移が見られやすく、リンパ行性転移では肺に近いリンパ節から転移が広がります。
小細胞がんの悪性度が高い
肺がんのなかでも、小細胞がんは悪性度が高いといわれています。非小細胞がんに比べて増殖スピードが速く、リンパ節への転移や遠く離れた臓器への転移が早期に起こる病気です。進行が早いことで手術できないこともあります。

