【W杯グループステージ・J組最終戦】 アルジェリア 3ー3 オーストリア
引き分ければ両チーム揃ってグループステージ突破――。試合前、周囲が囁いた「大人の解決(談合)」という言葉を、ピッチの22人は極上のエンターテインメントと不屈のプライドで粉砕した。
J組最終戦で行われたアルジェリアとオーストリアの一戦は、アディショナルタイムにドラマが連続する壮絶な打ち合いの末、3-3のドロー決着。結果的にオーストリアが2位、アルジェリアが3位で共にラウンド32進出を決めたものの、そこにあったのは打算なき「ガチンコ勝負」だった。
「勝ちに行く」有言実行の激しい打ち合い
試合前日の会見で、両チームの指揮官や選手たちは「引き分け狙い」の可能性を真っ向から否定。「ピッチに立つ以上、勝利だけを目指す」と宣言していた。その言葉に嘘はなかった。
試合は立ち上がりから互いにゴールを狙うオープンな展開となり、前半を終えて1-1。一歩も引かない激しい攻防に、スタンドからは大歓声が送られた。
後半に入ると、さらに試合は加速する。
後半10分: オーストリアが鮮やかな連携から勝ち越しゴールを奪う(1-2)。
後半15分: 意地を見せるアルジェリアが、わずか5分後に同点弾を叩き込む(2-2)。
目まぐるしくスコアが動くスリリングな展開に、世界中のサッカーファンが釘付けとなった。
終盤の「死んだふり」から世界が驚愕したATのドラマ
2-2のまま迎えた後半35分過ぎ、ピッチの空気が一変する。アルジェリアが自陣でのパス回しを始め、リスクを冒さない姿勢を見せたのだ。「やはりこのまま引き分け容認か……」スタジアムにそんなムードが漂い始めた。
しかし、これは牙を隠すための「死んだふり」に過ぎなかった。
アディショナルタイム(AT)3分、アルジェリアは自陣のパス回しから突如、前線へ鋭い縦パスを供給。これに反応したFWが劇的な勝ち越しゴールを奪ったのだ。
「引き分けるんじゃなかったのかよ!?」
世界中がひっくり返るような、アルジェリアの魂の一撃で3-2。これで万事休すかと思われた。しかし、ドラマはまだ終わらない。今度はリードを許したオーストリアが猛攻を仕掛け、AT6分に執念の同点ゴールを奪い返す。
怒涛の攻防の末、ホイッスル。スコアボードに刻まれたのは「3-3」の数字だった。
