桜の下の「別れ」から、七夕の「再会」へ。入社3ヶ月の新米編集者が迫る、創作の掛け算と幻の初期プロット|越尾圭

桜の下の「別れ」から、七夕の「再会」へ。入社3ヶ月の新米編集者が迫る、創作の掛け算と幻の初期プロット|越尾圭

実は明里が単独主人公だった? ファン必読のもう一つのプロット

新米K 本作『ぼくわた』を書き進める中で、当初のプロットから展開や結末が変わった部分はありましたか?

越尾『ぼくわた』の初期プロットを読み返してみたのですが、最終的な原稿と大きく変わる部分は特になかったんです。ただ、実は「七夕」でプロットを考える前に、もう一つ別のプロットが存在していました。純粋な続編というよりは、明里を主人公にした、高校生活がメインのストーリーを考えていたんです。

新米K そうだったんですか! それは初めて知りました。実は作中で明里が一番好きなキャラクターなので、その物語もめちゃくちゃ読んでみたいです。

越尾 ありがとうございます。内容は、意識不明になってしまった明里のクラスメイトを、前作の入れ替わりのような「奇跡」で救い出し、「再会」を目指すというお話でした。ただ、今回は『ぼくきみ』の正統な続編としてのリクエストをいただいていたので、もう一度プロットを練り直し、現在の『ぼくわた』が生まれました。

新米K 確かに『ぼくわた』も明里と航平の二人視点で進みますが、読んでいて「この物語の主人公は明里だな」と感じる瞬間が多かったです。

越尾 最初のプロットは完全に明里がメインで、航平はそこまで登場させない予定だったんですよ。

新米K それでも、航平を登場させる予定ではあったんですね。

越尾 そうですね。『ぼくきみ』の登場人物たちも交えながら、みんなで協力して一人を救い出すような展開を想定していました。

新米K そのお話もいつかぜひ読ませていただきたいです!『ぼくわた』を読んでいて感じたのですが、目標に向かって全力で走れる明里の一生懸命な姿って、読んでいるこちらまで不思議と元気がもらえるんですよね。周りを支える大人たちも本当に魅力的で、『ぼくきみ』では少し頼りなさのあった航平が立派な大人になっていたり、日菜乃も自分のことも航平のことも真剣に考えられる素敵な女性で。ちょっと圧を感じる石黒さんだって、実は根が良い人です。そんな魅力的な人たちが手を取り合う姿って、ただ見守っているだけでも心がじんわりと温かくなりますよね。

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次回は、『ぼくわた』における越尾さんのお気に入りのシーンや、登場人物等についてインタビューをさせていただきます!

配信元: 幻冬舎plus

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