介護施設にはユニット型や従来型など、いくつかの種類があります。
プライバシーを重視しながら落ち着いて過ごしてほしいものの、費用面も気になる場合や、ほかの入居者さんとの交流があった方が安心できるのではと考える場合など、ご家族の性格や予算に合わせてどちらを選ぶべきか悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では介護施設のユニット型と従来型について以下の点を中心に紹介します。
介護施設のユニット型(ユニット型特養)と従来型とは
ユニット型特養のメリットとデメリット
ユニット型特養の選び方
介護施設のユニット型と従来型について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
ユニット型介護(ユニット型特養)とは

ユニット型介護(ユニット型特養)とは何ですか?
ユニット型介護(ユニット型特養)とは、特別養護老人ホームのなかでも、10名前後の少人数を一つの生活単位(ユニット)としてケアを行う形態です。特養は、主に要介護3以上で自宅での生活が難しい高齢の方が、食事や入浴、排泄などの介助を受けながら暮らす公的な介護施設です。ユニット型では、入居者一人ひとりの生活リズムや個性を尊重する個別ケアを重視します。特徴は次のとおりです。
・居室は個室または準個室
・居室の近くに共同生活室を配置
・少人数のため職員が状態を把握しやすい
自室で落ち着いて過ごせる一方、リビングに出ればほかの入居者と交流しやすい点が特徴です。日常生活の支援に加え、健康管理やレクリエーションなども行われます。従来型で課題となりやすかったプライバシーの確保と、孤立しにくい生活環境の両立を目指した特養です。
ユニット型と従来型の違いを教えてください
ユニット型と従来型は、入居条件は同じですが、主に住環境や介護体制、費用に違いがあります。従来型は4人部屋などの多床室が中心で、30〜40人ほどが同じフロアで生活する集団ケアが基本です。利用者や職員と関わる機会が生じやすい一方、生活音や視線が気になりやすく、プライバシーを保ちにくい面があります。
一方、ユニット型は個室とリビングなどの共用スペースを組み合わせた少人数単位の住環境です。自身のペースで過ごしつつ、必要に応じてほかの利用者の方とも交流できます。職員はユニット単位で配置され、生活リズムに合わせた個別ケアを受けやすい点も特徴です。
介護体制やスタッフ配置も違うのでしょうか
介護体制やスタッフ配置は、ユニット型と従来型で基本の考え方に違いがあります。どちらも施設全体では、常勤換算で入居者3名に対して介護職員または看護職員1名以上を配置する基準は同じです。ただし、ユニット型には次のような追加基準があります。
・昼間は1ユニットごとに常時1名以上を配置
・夜間は2ユニット(定員20名)に対して1名以上を配置
・ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置
従来型は入所者数を基準に職員配置を考えるのに対し、ユニット型は少人数の生活単位ごとに職員を配置する点が特徴です。ただし、常時1ユニットに複数人がいるという意味ではなく、施設全体の必要人数を各ユニットに振り分ける仕組みです。
プライバシーや生活の自由度はどの程度保たれますか?
介護体制には、従来型とユニット型で違いがあります。従来型は大人数をまとめて支援する集団ケアが中心で、食事や起床なども決まったスケジュールに沿いやすい傾向があります。一方、ユニット型は少人数の生活単位ごとにケアを行うため、職員が入居者の性格や状態を把握しやすく、生活リズムや希望に合わせた対応につなげやすい点が特徴です。
・個室で介護を受けやすく、プライバシーを守りやすい
・少人数のため、顔なじみの関係を築きやすい
・共有スペースで交流の機会も持てる
個室で落ち着いて過ごしながら、必要に応じてほかの入居者や職員と関われるため、自宅に近い感覚で暮らしやすい体制といえるでしょう。
ユニット型はどのような人におすすめですか?
ユニット型は、施設に入っても自身のペースや生活リズムを大切にしたい場合におすすめです。個室で落ち着いて過ごせる一方、共用スペースではほかの入居者の方との交流もできるため、プライベートと社会的なつながりを両立しやすい点が特徴です。環境の変化に不安を感じやすい方や、心身の状態と希望に合わせた個別ケアを重視するケースでも検討しやすいでしょう。また、自宅に近い安心感を求める場合や、家族と面会しやすい環境を望む場合にもおすすめです。ただし、過ごしやすさは施設の雰囲気や支援体制によって異なります。見学やショートステイ、生活相談員や介護支援専門員への相談を通じて、実際の暮らし方を確認してから判断することが大切です。費用面である程度のゆとりがあるかも確認しておきましょう。
ユニット型の特徴とメリット・デメリット

ユニット型のメリットを教えてください
ユニット型の主なメリットは、個室と少人数単位の生活により、一人ひとりに合わせたケアを受けやすい点です。主な利点は以下のとおりです。
・生活リズムや性格に合わせた個別ケアを受けやすい
・顔なじみのスタッフと信頼関係を築きやすい
・共有リビングでほかの入居者と交流しやすい
・個室があるため、家族が訪問しやすい
・新しい建物や設備で過ごせる傾向がある
プライバシーと他者とのつながり、個別ケアのバランスを取りながら暮らしやすいことが、ユニット型の魅力です。
ユニット型のデメリットはありますか?
ユニット型には、個室で落ち着いて過ごしやすい一方、いくつか注意したい点もあります。
・従来型より利用料が高くなりやすい
・少人数のため人間関係がこじれると居心地に影響しやすい
・希望してもすぐ入所できない場合がある
ユニット型は原則個室のため、居住費や介護サービス費が高めに設定される傾向があります。施設によって差はありますが、従来型より月額で数万円ほど高くなるケースもあるため、長期利用を見据えた確認が必要です。
また、少人数で生活する分、入居者同士の距離が近く、関係が悪化すると過ごしにくくなる可能性があります。修復が難しい場合は、施設変更や退所につながるおそれもあります。
さらに、特養は入所待ちが発生することもあるため、希望施設に入れない場合は別の施設やサービスも含めて検討しましょう。
施設選びで重視すべきポイントを教えてください
施設選びでは、見学時に次の点をチェックすると判断しやすくなります。
・廊下や居室が清潔に保たれているか
・スタッフの挨拶や対応が明るく丁寧か
・見守り機器や転倒防止設備などが整っているか
・ユニット型と従来型のどちらが本人に合うか
・レクリエーションや生活リハビリ、施設の雰囲気が希望に近いか
清掃や整理整頓が行き届いている施設は、日々の対応にも丁寧さが表れやすいです。また、設備が整っていれば事故やトラブルの防止につながる可能性があります。ユニット型か従来型かで費用や人間関係の距離感も変わるため、本人の性格や優先したい暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。

