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3万円の報酬で「パパ活強盗殺人」に加担、当時18歳「特定少年」に懲役18年求刑 弁護側が訴えた“育て直し”とは

3万円の報酬で「パパ活強盗殺人」に加担、当時18歳「特定少年」に懲役18年求刑 弁護側が訴えた“育て直し”とは

●被害男性の抵抗に遭うなどしてパニックに

2人は水分峡森林公園の管理棟の裏手に到着。A被告人は、その場に沢山積まれていた木の棒(ストーブ用の薪)のうちの1本を「武器とするために持っておこう」と手に取った。

一方、少女Cは被害男性と一緒に先に到着しており、管理棟の表側のベンチで会話していた。事前の計画では、ここで彼女が被害男性に性行為を持ちかけ、ズボンを脱がさせるはずだったが、それは実現しなかった。

少女Cはそのことをこう供述している。

「私は屋外で性行為をしたことがなく、被害男性も屋外での性行為に同意する人だとは思えませんでした。そのため結局、被害男性に性行為を持ちかけられないまま、A被告人にLINEで『もう出てきていいよ』と伝えたのです」

A被告人は出てきて、被害男性に「こんなところで女の子を襲おうとしよるんか。金出せや」と求めたが、「お金は持っていません」と拒絶された。そこで「被害男性の身体のどこか」を拳で殴ったが、反撃されたという。

A被告人はこう供述している。

「被害男性が私にヘッドロックをしてきたのですが、力が強く抜け出せませんでした」

自分は手を出すつもりはなかったB被告人はその様子を見て、A被告人を助けるために被害男性に飛び蹴り。さらに被害男性を殴ったり蹴ったりした。そうしたところ、A被告人が事前に持っていた木の棒で被害男性の頭部を4、5回殴り、血が飛び散る事態になったという。

ふたたびB被告人の証言。

「僕は被害男性の前にしゃがみこみ、『お金を出してくれたら、もう帰るんで』と言ったのですが、被害男性に顔面を殴られました。そこで僕も殴り返し、馬乗りになると、被害男性が『助けて!』と何度も叫び出し、僕はパニックになりました。そこでAに対し、『なんとかせえ!』と言ったのです」

A被告人はこれをうけ、木の棒で被害男性の後頭部を打ちつけたが、これが致命傷となった。被害男性は動かなくなったという。

こうして被害男性を殺害後、A被告人が被害男性のバッグから財布を盗むと、8万1000円が入っていた。現場から逃走後、B被告人は事前の約束通り、A被告人から3万円を渡された。その金はカラオケや飲食費に使ったが、その心境をこう振り返っている。

「カラオケに行ったのは、遊んで気持ちを紛らわしたかったからです。とにかく頭から事件のことを拭い去りたい思いでした」

事件から2カ月余りが過ぎた同年6月22日、3人は広島県警に逮捕された。

●弁護側が「育て直しが必要」と主張する根拠

このように犯行の結果が重大なのは間違いないが、弁護人は「B被告人には、育て直しが必要だ」と少年院での保護処分が相当だと主張した。

その主張を裏づけるために証言したのが、B被告人と面談を重ねた矯正心理学と犯罪学を専門とする大学教授だった。

この教授によると、B被告人は幼少期、両親の殴り合いの喧嘩をよく目にする「心理的な虐待」を受けていたという。

8歳の時には、両親が離婚。父親と幼い妹と3人で暮らすようになったが、父親は仕事で毎朝早く家を出て、夜遅くまで帰って来なかったという。

「このように養育環境はネグレクトに近く、子供の頃から妹の面倒をみていた状況はヤングケアラーと認定してもおかしくありません」

さらに中学の頃、父親が家を出て、母親と継父、この2人の間に産まれた妹と暮らすようになった。母親はこの継父とも暴力を伴う喧嘩をしていたうえ、B被告人に「弱い者いじめをするな。ただ、やられたらやり返せ」と暴力を肯定するような教育をしていたという。

大学教授はこのようなB被告人の生育歴を踏まえ、「幼少期の逆境体験が心身の発達に影響を与えました。心理的に脆弱になり、判断や行動がゆがみ、今回の犯行にもつながりました。心身の発達のために『育て直し』が必要です」と結論した。

それが可能なのは、刑務作業を優先させる少年刑務所ではなく、法務教官が一人一人の少年の矯正に取り組む少年院なのだという。

大学教授はB被告人について、「面談を始めた頃は乏しかった表情が豊かになり、感謝の言葉も口にするようになりました」として、成長していると証言。B被告人もこう語った。

「僕は逮捕される前、マンガも読まなかったのですが、逮捕されてからは200冊以上の本を読みました。犯罪被害者遺族の目線で書かれた小説も読み、被害者のことにも思いが及ぶようになりました」

このような専門家の意見や事件後の事情が判決にどう反映されるのか。7月1日の第3回公判では、検察官が犯行の悪質性や重大性を強調し、懲役18年を求刑したのに対し、弁護人は改めて保護処分が相当だと主張して結審。判決は7月3日に言い渡される。

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