「美容整形」をテーマにした作品は珍しくない。しかし、本作では、整形願望のあるひかりに加え、その願望を突きつけられた母親の葛藤も描くことで、世に蔓延する「外見至上主義」の恐ろしさをより生々しく突きつけてくる。
作者のうみの韻花氏に、本作のキャラクター造形とストーリー設計など、作品の作り方に関する話を聞いた。















彩は「等身大の大人の集合体」
本作のメインである彩とひかりはどのように作り上げられたのか。「まずひかりは『もしルッキズムがこれほど蔓延する現代社会に、10代の頃の私が生きていたら』という想像から生まれたキャラクターです。彩は、娘を愛しているけれど完璧ではなく、世間の価値観にも揺らいでしまう『等身大の大人』の集合体として作り上げました。読者が自身の弱さを投影できるような器になればと意識しています」
また、「どこにでもいるような普通の家庭」を描くことからストーリーはスタートしており、「この問題は決して他人事ではなく、どの家庭でも起こりうる」ということを読者に伝えるために設計したという。
リアリティへの徹底したこだわり
整形に失敗した際のシビアな現実、クリニックでのカウンセリングの生々しい空気感など、無慈悲かつ無情な現実で殴りかかってくる展開に、何度も目を背けたくなる。ストーリー構成において、どのようなことを意識したのか。「平凡な日常の中に潜む狂気をグラデーションで描き出し、目を背けたくなるような現実をあえて突きつけることで、作品としての説得力とリアリティのバランスをとるよう組み立てていきました。『物語を綺麗事では絶対に終わらせない』というのは最初から決めていたことです」

