家族が判断を求められる場合の対応

本人の意思が確認できない場合はどうなりますか?
本人の意思が確認できない場合は、家族や本人に近い方から、これまでの考え方や希望を確認し、本人が望んでいたと思われる意思を推定します。その内容をもとに、医療・ケアチームが本人にとってよりよい方針を慎重に検討します。
家族などが本人の意思を推定できない場合は、本人にとって何が望ましいかを、家族と医療・ケアチームで話し合いながら判断します。また、家族がいない場合や判断を医療側に委ねる場合は、医師や看護師など多職種のチームで検討されます。
こうした話し合いは一度で終わるものではなく、本人の状態や治療の経過に応じて繰り返し行われます。話し合った内容は、診療録などに記録しておくことが大切です。
家族間で意見が分かれた場合はどうすればよいですか?
延命治療に対する考え方は一人ひとり異なるため、家族の間で意見が分かれることがあります。そのような場合は、すぐに結論を出そうとせず、それぞれの考えや理由を確認することが大切です。
判断の中心に置きたいのは、家族の希望ではなく、本人がどのような最期を望んでいたかです。本人の発言や価値観、事前指示書の有無などを確認しながら、できるだけ本人の意思に沿った方針を話し合いましょう。
例えば、救急隊員は延命治療につながる応急手当を行ってしまうため、救急車を呼ぶかどうかも事前に話し合っておくとよいでしょう。
また、家族のなかで連絡役となる方を決めておくと、情報の行き違いを防ぎやすくなります。
延命治療の拒否について家族は誰に相談すればよいですか?
延命治療の拒否について家族だけで判断に迷う場合は、まず主治医やかかりつけ医に相談することが大切です。本人の病状や今後の見通し、選択できる医療行為について説明を受けることで、判断に必要な情報を整理しやすくなります。
入院中であれば、病院のソーシャルワーカーや看護師、ACPを支援する医療スタッフに相談する方法もあります。在宅療養中の場合は、訪問診療医や訪問看護師、ケアマネジャーにも相談できます。
本人の意思に反した対応にならないよう、緊急時の連絡先や救急要請の判断についても、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
編集部まとめ

ここまで延命治療の拒否についてお伝えしてきました。延命治療の拒否についての要点をまとめると以下のとおりです。
延命治療を受けるかどうかは、本人の意思が尊重される。希望を伝えられない場合に備え、元気なうちから意思を共有しておくことが重要
延命治療を拒否したい場合は、受けたい医療、受けたくない医療を整理し、リビングウィルや事前指示書を残しておく。家族やかかりつけ医にも内容を伝えておくことが大切
延命治療の継続は家族の希望だけで判断せず、本人がどのような最期を望んでいたかを中心に話し合うことが重要。必要に応じて、主治医や医療・ケアチームに相談する
延命治療について考えることは、納得のいく最期を迎えるための準備につながります。
元気なうちから家族や医療関係者と話し合い、希望を共有しておくことが大切です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
医療における意思決定|大阪大学大学院医学系研究科
終末期医療のあり方について-亜急性型の終末期について-|厚生労働省
リビングウィルをきっかけに人生会議を開きましょう|塩尻市
「人生会議」してみませんか|厚生労働省
人生の最終段階における医療・ケア|厚生労働省
こんなときどうすればいい? ACPでよくある5つの場面|東京都保健医療局
意思決定支援・ACPに関する事例・Q&A集|広島県

