受診の目安と治療方法
編集部
どのような症状があった場合、医療機関を受診したほうがよいのか教えてください。
饗場先生
足の血管がぼこぼこと浮き出てきた、片足だけむくむ、足のだるさや夜中に足がつる症状が続く、皮膚にかゆみや湿疹が出てきた、黒ずんできたといった場合は受診を検討してよいと思います。命に関わる病気ではありませんが、皮膚炎が起こってからでは治療が大変になるため、気になった時点で受診することが大切です。
編集部
下肢静脈瘤はどのような検査で診断されるのでしょうか?
饗場先生
超音波検査(エコー検査)で血液の逆流があるかどうかを調べます。ほとんどの場合はこの検査で診断が可能で、診断の約99%はエコーでおこなうことができます。検査結果をもとに、治療が必要かどうか、どの治療をおこなうかを決めていきます。
編集部
下肢静脈瘤の一般的な治療方法について教えてください。
饗場先生
現在の主な治療は、血液が逆流している血管を閉じる治療です。代表的な治療に「血管内焼灼術」があり、カテーテルを血管の中に入れ、レーザーや高周波の熱で血管を内側から焼いて閉じます。現在はこの治療が標準的な治療になっています。また、医療用接着剤を血管の中に注入して血管を閉じる「血管内塞栓術(グルー治療)」という治療もあります。さらに、ぼこぼこと膨らんだ血管が気になる場合は、小さく切開して血管を取り除く「静脈瘤切除術」をおこなうこともあります。これらの治療は多くの場合、日帰りでおこなうことができます。
編集部
治療の合併症やデメリットはありますか?
饗場先生
血管内焼灼術の場合、術後に弾性ストッキングを数週間着用する必要があります。血管内塞栓術(グルー治療)の場合は、接着剤に対するアレルギー反応が起こることがあります。どの治療にもメリット・デメリットがあるため、患者さんの状態に合わせて治療方法を選択します。
編集部
下肢静脈瘤を予防するために日常生活で気をつけるべきことはありますか?
饗場先生
長時間立ちっぱなし、座りっぱなしを避け、足をよく動かすことが大切です。仕事の合間に歩いたり、足首を動かしたりするだけでも血流が改善します。また、弾性ストッキングを着用することで悪化を予防することもできます。食生活が直接の原因になる病気ではありませんので、まずは足の血流を良くする生活を意識することが大切です。
編集部まとめ
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、放置すると皮膚炎や潰瘍などにつながることもあります。夜中に足がつる、足がむくむ、だるい、血管が浮き出てきたといった症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。現在は日帰りで受けられる治療も多く、早期治療によって症状の改善が期待できます。本稿が読者の皆様にとって、足の異変を見直すきっかけとなりましたら幸いです。

