一生懸命、書いていたもの
娘は玄関でぶつぶつ確認しながら、ゆっくりメモを書いていました。
そして書き終わると、笑顔で紙を差し出してきたのです。
「はい、ママ」
私は、自分がすることを書いているのだと思っていました。
ところが紙を見ると、
「チョコパン」
「バナナ」
「牛乳」
と書かれていたのです。
思わず「そっち!?」と笑ってしまいました。
手洗いやシャワーのことではなく、私が買い忘れないようにメモを作ってくれていたのです。
思い出して笑ってしまった理由
その瞬間、最近のやり取りを思い出しました。
私が「あれ買うの忘れた」「やるの忘れてた」と言うたびに、娘はよく
「ママ、メモした方がいいよ」
と言っていたのです。
彼女にとっては、自分のために書き残すことより、母親が忘れないように書いておく方が大事だったのでしょう。
なんだかその発想がおかしくて、頬がゆるんでしまいました。
結局、スーパーからの帰り道は予想どおりの土砂降り……。
それでもポケットに入れた小さな紙を見返すたびに、娘なりの気遣いが伝わってきて、少し温かい気持ちになったのです。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

