野生の生息地は“たった1カ所”―― 直面する“崖っぷち”の現実
一方で、野生の状況は依然として極めて不安定です。
現在確認されている最後の野生個体群は、メルボルン西部の一つの私有放牧地のみ。土地所有者が長年にわたって草原を丁寧に維持してきたことが、生存につながったと考えられています。
専門家は、このまま1つの場所だけに頼る状況は非常に危険だと指摘してきました。病気や山火事、捕食者の増加など、たった一度の出来事で野生個体群が失われる恐れがあるためです。
メルボルン大学のブレンダン・ウィントル教授は、「成功とは動物園で飼育することではなく、保全繁殖によって野生で複数の個体群を定着させることだ」と説明。さらに、最後の生息地を恒久的に保護するため、政府が土地を取得し、自然保護区として管理すべきだと訴えています。
動物園では将来的に500匹以上の飼育個体を確保し、野生への再導入につなげる計画が進行中です。
半世紀以上もの間、絶滅したと思われていた小さなトカゲ。その再発見は、失われた種を守るためには、生息地の保全と継続的な保護活動の両方が欠かせないことを改めて示しています。
参照
Colossal Foundation
agriculture.gov.au「National Recovery Plan for the Grassland Earless Dragon Tympanocryptis pinguicolla」
Discover Wildlife「Australia’s earless dragon is so rare it was thought extinct, until two ecologists got an unexpected surprise...」
The Guardian「How to conserve your dragon – and avoid losing Australia’s most imperilled reptile for a second time」

