●「ノリでやってしまった」
弁護人の被告人質問で、被告人は犯行動機について「仕事のストレス」「周囲に流され、善悪の判断がつかず、ノリでしてしまった」などと答えた。
被告人作成の反省文でも「業務の認識の甘さ」と記していたが、高齢患者への暴行は「業務の認識」の甘さで説明できるものではない。
被告人は、被害者3人に謝罪文を書いたものの、受け取りを拒否され、慰謝料も支払われていないという。
「大きい金額はいきなりは無理なので少しずつでも」と支払いの意向は示しているが、いまだに被害者家族らと交渉もおこなえていないという。
現在はアルバイトをしながら生活費を家族に入れており、「やったことが絶対ダメなので」として、今後は看護・介護の仕事には就かない考えを示した。
●以前の病院でも患者への暴行で自主退職
検察官は「(自分がどれほど)酷いことをしているかわかってます?」と問いただした。被告人はうなずきながらも次のように答えた。
検察官:どうしてわかってて繰り返すんですか。
被告人:やっぱ、周りが面白がってやってしまって、歯止めが利かんくて。
検察官:学生時代からいじめをしたりしてたのですか。
被告人:見てただけで、関与はしていない。
さらに、以前勤務していた精神科病院で「そういうのを普通に見てきたんで」と話したが、具体的には暴れる患者を職員が押さえつける話で、今回のような暴行と結びつくようなものでもなかった。
一方、その病院でも患者にアルコールを吹き付ける行為をして、自主退職を促されていたことも明らかになった。その後すぐに勤務したのが今回の病院だった。
当初は暴行はしていなかったものの、動画を共有する同僚と親しくなると再び暴行を始めたという。上下関係はなく、暴行を始めたのは同じ時期だと説明したが、動画には被告人が同僚に指示を出して暴行させる場面も残されていた。
Aさんについては「言い返す反応を見たくて」、Bさんについては「迷惑行為が頻繁に見られた」「うっぷんを晴らすため」と供述。ヤケドで水ぶくれになった患部はガーゼで拭いただけで、看護師に報告することもなかった。

