■自ら選んだ「リーダーを外れる」という選択
――復職されてからの働き方について教えてください。
尾島さん 復職直後は、以前と同じチームリーダーに戻りました。実は、夏場は本来であれば落ち着いている時期(閑散期)のはずですが、ありがたいことに顧客数が伸びていたこともあって、現場は慌ただしい状態がずっと続いていて。そんな中で復職し、日々仕事と向き合っていたのですが、ある日ふと気づいたんです。家で息子と遊んでいる最中なのに、頭のどこかで仕事の悩みを持ち帰って考えてしまっている自分に……。
それに気づいたとき、強いショックを受けました。「こんなに可愛いわが子が目の前にいるのに、自分は100%向き合えていない」と。妻の負担も大きくなっていました。そこで当時の上長に正直な思いを伝え、チームリーダーを離れることを決心しました。
――自らの意思でリーダーを外れるというのは、勇気ある決断ですね。
尾島さん 職場が非常に柔軟で、個人の状況に合わせたキャリアを尊重してくれる環境だったからこそ、正直に打ち明けることができました。今の会社でなかったら、相談するのも躊躇していたかもしれません。今年の1月から一人のメンバーとして職務にあたっていますが、オンオフの切り替えが明確になり、心理的な負担は劇的に軽減されました。

「うちの子は生まれてからずっと成長曲線の上限ギリギリにいて、とっても重く、ミルクをあげるのが本当に大変だったのですが、妻が韓国のネットでオススメされていた授乳シートを見つけて使ってみたところ、手首や腕の負担が一気に減り、ミルクの時間が革命的に楽になりました!」(尾島さん)
■育児は一人でできるものではない
――最後に、これから出産や育休を控えている方へアドバイスをお願いします。
尾島さん 育児を経験して強く感じたのは、これは到底一人でできるものではないということです。SNSなどで「ワンオペ育児」を乗り切る動画などをよく見かけますが、実際に自分でやってみて「これを一人で抱え込むのは、肉体的にも精神的にも本当に過酷だ」と痛感しました。YouTubeなどの動画のように綺麗にこなせることばかりではないですし、「一人でもなんとかなる」と周りが勘違いしてはいけないな、と……。もちろん、皆さんがそのような意図で発信しているわけではないことはよくわかっています。
だけど、個人的にはやはり育児は複数人でやるべきものだと思います。なので、もし金銭的な事情が許されるのであれば、可能な限り長期間の育休を取得することをおすすめします 。きっと一緒にいる時間が長いほど、お互いの負担が偏ることなく、家族みんながハッピーに過ごせると思います!

「近所の公園での遊び姿です。季節の花や緑と一緒に、その時期ならではの景色を写真に残すようにしています」(尾島さん)
(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)
