「共同親権を申し立てるぞ」AI活用うかがう長文申立書も…制度導入3カ月、弁護士が語る現場の変化

「共同親権を申し立てるぞ」AI活用うかがう長文申立書も…制度導入3カ月、弁護士が語る現場の変化

離婚後の共同親権制度が今年4月に施行されてから、約3カ月が経過した。

共同親権の影響か、今年3月から4月にかけて、家事事件も増えている。最高裁の統計によると、今年1月から4月までに新規に受け付けた家事事件は、43万5374件にのぼり、前年同期に比べて2万件近く増加した。

制度導入前には、DVやモラハラ加害者による制度の悪用、家庭裁判所の運用への影響、子どもをめぐる親同士の対立の激化など、さまざまな懸念が指摘されていた。

制度導入後の現在、家庭裁判所や離婚実務の現場ではどのような変化がみられるのか。共同親権制度に対する問題提起を続けてきた岡村晴美弁護士に聞いた。

●「共同親権を期待していたのでは」

制度導入から約3カ月。岡村弁護士は、現場では大きく二つの変化があると感じているという。

一つは、離婚訴訟や親権争いの結論を制度施行後に迎えることを期待していたように見えるケースだ。

制度導入後に離婚が成立すれば、共同親権を選択できる可能性があることから、訴訟の進行に影響を与えたのではないかと感じる事案もあったという。

「婚姻時と同じく共同親権を続けたい、あるいは離婚したくないという人が、期日の調整や反論の追加などを理由にして、4月1日以降に判断が出るよう進行を遅らせようとしていたのではないか、と感じた事案がありました」

ただし、制度導入後であっても、こうしたケースで共同親権が認められているわけではないという。

「離婚後の単独親権を争っているような対立の激しい事案(高葛藤事案)や、離婚そのものを争っている事案は、そもそも共同親権になじみにくいケースが多いです。

婚姻中の共同親権を盾にして、『親権者の私に相談なく勝手に転校させた』などと言って、相手を『協力義務違反だ』と責め立てるような人と、離婚後に共同親権を円滑に運用できる関係を築くのは難しいからです」

岡村弁護士によると、共同親権導入以前、単独親権が相当と考えられていたケースについて、家庭裁判所の判断が大きく変わったという印象はないという。

「現状、父母の対立が強い事案では、やはり共同親権は難しいという判断になっているように感じます」

●増えている「共同親権への変更申立て」

もう一つの変化は、すでに離婚した父母の間で起きているという。単独親権から共同親権へと変更を求める申立てだ。

「家庭裁判所の統計を見なければ正確なことはわかりませんが、想定していたほど爆発的に増えている印象はありません。ただ、それでも増えているなという実感はあります」と岡村弁護士は話す。

岡村弁護士によると、その内容にも一定の傾向が見られるという。

「弁護士が代理人として付いておらず、本人による申立てが非常に多いです。中には、生成AIの活用がうかがわれるような長文の申立書も見受けられます。

一見すると丁寧な文章なのですが、内容を読むと相手方への非難が中心になっているものもあります。『あなたの子育てでは心配だ』といった内容が長く記載されているケースもあり、中には20ページ近い申立書もありました」

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