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【宇都宮美術館】『カンディンスキー 世界は鳴りひびく ー 日本のコレクションでたどる画業と反響 ー』初期から晩年の作品が勢揃い!

ワシリー・カンディンスキー《支え無し》 1923年 カンヴァス,油彩 97.3×93.7㎝ ポーラ美術館蔵

カンディンスキーはロシアに生まれ、ドイツやフランスで活躍した画家ですが、本展では“国内に所蔵される作品”を集結して彼の画業をたどります。カンディンスキーの作品は日本の多くの美術館も積極的に収集してきたため、国内の作品だけでもその芸術に深く触れることが可能です。

本展では、日本との関係にも着目しつつ、カンディンスキーの芸術を読み解いていきます。「抽象絵画はどう見たら良いのかわからないなあ…」という方にとっても、興味を広げるきっかけの展覧会となりそうです。

見どころ①日本各地のコレクションが集結!カンディンスキーの画業を通覧

ワシリー・カンディンスキー《浮遊》 1927年 厚紙,油彩 45.9×54.0㎝ 宇都宮美術館蔵

本展の大きなポイントとなるのが、日本で所蔵されている作品で展覧会を構成するところです。初期から晩年まで、さまざまな時期のカンディンスキー作品が国内で鑑賞できることは、実は当たり前ではありません。

日本にも多くのコレクションがあるのは、彼が「抽象絵画」を確立したひとりとして、美術界で重要視されてきたからです。

ワシリー・カンディンスキー《商人たちの到着》1905年 カンヴァス,テンペラ 92.5×135.0㎝ 宮城県美術館蔵

従来の絵画では、人やモノ、風景など現実世界にあるようなものを描くのが一般的でした。若き日のカンディンスキーも同じで、本展では抽象絵画に目覚める以前の作品も観られます。

カンディンスキーが抽象絵画を描くようになったのは、1910年頃から。色彩や線、形が人を感動させることに気づき、具体的なモノではなく抽象的な作品へと展開していきます。

ワシリー・カンディンスキー《生き生きとした白》 1934年 カンヴァス,油彩 60.0×73.0㎝ 愛媛県美術館蔵

本展では、初期から晩年までのカンディンスキーの作品を網羅的に紹介。彼の画業の変遷を俯瞰しつつ、日本のカンディンスキーコレクションの厚みにも触れられます。

見どころ②理論的?情緒的?抽象絵画の見方とは?

ワシリー・カンディンスキー《横切る赤》 1931年 厚紙,油彩 69.4×79.2㎝ 宇都宮美術館蔵

今では抽象絵画も芸術のひとつとして受容されていますが、カンディンスキーが抽象絵画を打ち立てた頃はそうではありませんでした。「落書きみたいな絵」と受け取る人も多く、画家たちは理論の構築にも精を出しました。

カンディンスキーはその筆頭で、著書『抽象芸術論 芸術における精神的なもの』などを通し、目に見えない世界を描く抽象絵画がどのような芸術であるかを解説。彼は明晰な理論家としても美術史に名を残すこととなりました。

ワシリー・カンディンスキー《尖端》 1920年 カンヴァス,油彩 110.0×91.5㎝ 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵

とはいえ、作品には理論の枠組みに収まらない感情が溢れているように思います。「絵画は、童話のような力と輝きを手に入れた」と本人も語っており、カンディンスキーの絵画には喜怒哀楽が乗り、描線や色彩が踊り始めそうな生命感も宿っています。

ワシリー・カンディンスキー《「冷たいかたちのある即興」のための習作》1914年頃 紙,水彩・グアッシュ・鉛筆 33.0×24.0㎝ 静岡県立美術館蔵

本展でも、カンディンスキーの冷静な面と情緒的な面の両方を感じられそうです。理論的な解説も大切ですが、作品と向き合うことでしか得られない感覚があるのも事実。本展に足を運んで体験してはいかがでしょうか。

配信元: イロハニアート

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