ダイエット法として定番になった糖質制限。「本当に安全なのか」「医師はどう考えているのか」と疑問に感じる人も多いはずです。本記事では、体重が落ちる仕組みや注意点、糖質制限が向いている人・向かない人について中島内科クリニックの中島茂院長に話を聞きました。
※2026年4月取材。

監修医師:
中島 茂(中島内科クリニック)
横浜市立大学医学部卒業。その後、藤沢市民病院、横浜市立大学医学部附属浦舟病院(現・横浜市立大学附属市民総合医療センター)内科部長、横須賀共済病院内科部長・栄養管理科部長を務める。2003年、神奈川県横須賀市に「中島内科クリニック」を開院。
そもそも糖質制限は正しいのか?
編集部
糖質制限はダイエットとして正しい方法なのでしょうか?
中島先生
はい、適切に行えば体重減少に有効な方法の一つです。糖質を減らすと血糖値の急上昇が抑えられ、脂肪を蓄積させるホルモンである「インスリン」の分泌が穏やかになるためです。ただし、極端な制限は栄養バランスを崩す可能性があるため、正しい知識のもとで行う必要があります。
編集部
すべての人に向いている方法なのでしょうか?
中島先生
いいえ、必ずしもすべての人に適しているわけではありません。糖尿病を治療中の人や、持病のある人、妊娠中の人などは極端な糖質制限がリスクとなる場合もあるため注意が必要です。また、過度な制限によってエネルギー不足や体調不良を起こすおそれもあります。個々の体調や生活スタイルに合わせて行いましょう。
編集部
糖質制限を行うと、短期間でダイエットができるのですか?
中島先生
比較的早い段階で体重減少を実感しやすい傾向にはあります。ただし、短期間での急激な減量はリバウンドのリスクも伴うため、長期的な視点で無理のない範囲で行う必要があります。
編集部
医学的にもおすすめされているダイエット法なのでしょうか?
中島先生
適切な範囲での糖質調整は有効ですが、極端に「糖質ゼロ」を目指す必要はありません。バランスの取れた食事を基本としながら、糖質の摂取量を見直すという考え方が現実的です。大切なのは無理なく継続できるかという点です。正しい知識を身につけ、医師などの指導のもとでの実施を推奨します。
なぜ糖質を制限する必要があるのか?
編集部
なぜ糖質を制限すると痩せやすくなるのでしょうか?
中島先生
インスリンの分泌を穏やかにし、脂肪が蓄積しにくい状態を作れるためです。糖質を摂取すると血糖値が上昇し、血糖値の上昇に伴ってインスリンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる働きとともに、脂肪の蓄積を促す作用もあります。そのため、糖質摂取の抑制が有効です。
編集部
糖質は完全にカットしたほうがよいのでしょうか?
中島先生
糖質は体にとって重要なエネルギー源であり、完全にカットする必要はありません。特に脳は主なエネルギー源として糖質を利用しているため、不足すると集中力の低下や疲労感につながる場合があります。必要量を確保しつつ、過剰摂取を控える意識が大切です。
編集部
糖質の摂りすぎが肥満につながるため、適度に減らしたほうがよいのですね。
中島先生
はい。過剰な糖質摂取は血糖値の急上昇を繰り返し、脂肪の蓄積や肥満につながります。またインスリンの働きが低下し、将来的に糖尿病のリスクを高める可能性もあります。そのため、適量への意識が健康維持につながります。
編集部
糖質制限を行えば、ダイエットのために運動する必要はないのでしょうか?
中島先生
いいえ、運動は糖質をエネルギーとして消費するため、糖質制限と組み合わせると効率よく体脂肪を減らせます。ただし、糖質を極端に制限すると運動時のパフォーマンスが低下しますし、体は筋肉を分解してエネルギーを確保しようとします。糖質制限をやり過ぎるとかえって筋肉量が減り、太りやすい体になる場合もあるため、適度に糖質を摂取しながらの運動を推奨します。

