声優でシンガー・ソングライターのMoeMiさんが7月7日に、自身のSNSにて「7月1日の早朝、救急車で緊急搬送され、現在ICUに入院しております。『播種性血管内凝固』という診断で、一時は命の危険と隣り合わせの状況でした」と明らかにしました。本記事では、播種性血管内凝固症候群の初期症状や前兆などを医師の居倉宏樹先生に解説してもらいます。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
播種性血管内凝固症候群の概要
播種性血管内凝固症候群(DIC: Dissminated Intravascular Coagulation)は、体内で血が固まる仕組みが異常に働くことで発生する重い病気です。DICは、ほかの病気が原因で起こり、それ自体が独立した病気ではありません。たとえば、感染症やがん、手術後などがDICの原因となります。
播種性血管内凝固症候群の原因
播種性血管内凝固症候群(DIC)は、単独で発生する病気ではなく、ほかの病気が原因となって引き起こされる重い症状です。DICを引き起こす病気はいろいろありますが、主な原因には次のようなものがあります。
感染症
敗血症(体全体に感染が広がること)
重い感染症(肺、尿路、胆道など)
血液のがん
急性前骨髄球性白血病(APL Acute Promyelocytic Leukaemia)
急性白血病
悪性リンパ腫
その他の血液のがん
固形がん
転移を伴った進行がん
組織の損傷
外傷(ケガ)
火傷
熱中症
筋肉が壊れる病気(横紋筋融解症)
手術後
手術を受けた後も、DICを引き起こすことがあります。
血管に関する病気
大動脈瘤(胸やお腹の大きな血管が膨らんでしまう病気)
大動脈解離(大動脈が裂ける病気)
血管の腫瘍や血管炎(血管に炎症が起こる病気)
肝臓の病気
劇症肝炎や急性肝炎
肝硬変
その他
急性膵炎
ショック状態
輸血の問題(血液型が合わない輸血)
ヘビに咬まれること
低体温
さらに、産婦人科や新生児の病気もDICを引き起こすことがあります。
DICは、原因となる病気によって発症の仕組みが異なりますが、ほとんどの場合「組織因子(TF)」という物質が重要な役割を果たしています。
感染症の場合
敗血症などの感染症では、体内で「サイトカイン」という物質が増え、組織因子(TF: Tissse Factor)が作られます。これが血液の凝固を引き起こし、さらに血管の内側にあるトロンボモジュリンというタンパク質の働きが抑えられることで、DICが進行します。
白血病や固形がんの場合
急性白血病や固形がんでは、腫瘍細胞の中にある組織因子(TF)が、血を固める働きを活性化し、DICが発症すると考えられています。

