播種性血管内凝固症候群の前兆や初期症状について
DICでは、血が固まる働き(凝固活性)と、血を溶かす働き(専用活性)が同時に無秩序に起こり、そのバランスによって症状は異なります。
•出血症状:DICが進行すると、血を固めるための物質が足りなくなり、体のあちこちで出血しやすくなります。また、全身にできた細かい血栓に対して、プラスミンという物質が血栓を溶かそうと活発に働き始めます。すると、本来出止血するためにできた血栓も溶かし、出血傾向がより高まってしまいます。たとえば、鼻血や皮膚の出血、さらには内臓からの出血が起こることがあります。
•臓器障害:血栓が臓器の細かい血管に詰まると、血流が妨げられ、酸素や栄養などが組織に届かなくなります。その結果として腎臓や肺や肝臓をはじめとする重要な臓器にダメージが及び、体のさまざまな部分に影響が出ます
播種性血管内凝固症候群の検査・診断
DICは、ほかの病気が原因で血液が固まりすぎる状態です。症状が現れた場合は血液内科を受診しましょう。
また、この病気を見つけるためには、血液を調べる検査がとても重要です。DICの診断に使われる主な検査項目について説明します。
DICの診断に使われる検査
血小板数
血小板は、けがをしたときに血を止める役割を持っています。DICでは血小板がたくさん使われるため、血小板の数が減ります。特に、急性前骨髄球性白血病(APL)などの疾患では、血小板が大きく減少します。
PT(プロトロンビン時間)
PTは血が固まるまでにかかる時間を測る検査です。肝臓がうまく働かなくなるとPTが長くなることがありますが、PT値に異常がなくてもDICが発症している場合があるため注意が必要です。
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
APTTも血が固まる時間を測る検査ですが、これもDICに特有の検査ではなく、値に異常がなくてもDICが発症している場合があります。
フィブリノゲン
フィブリノゲンは血を固めるために重要なタンパク質です。DICの一部のタイプではフィブリノゲンが大きく減少することがあります。
FDP(フィブリン分解産物)やDダイマー
これらは血が固まった後にできる物質です。DICではFDPやDダイマーの値が高くなります。
そのほかの検査項目
TAT(トロンビン-アンチトロンビン複合体)やSF(可溶性フィブリン)
DICではこれらが必ず高くなります。治療の効果を確認するためにも使われます。
PIC(プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体)
この物質もDICで高くなります。特に「線溶亢進型DIC」では非常に高い値を示します。
AT(アンチトロンビン)
DICではAT活性が低下することが多いですが、場合によっては正常なこともあります。
DICの診断基準
DICの診断は、検査結果だけでなく、基礎疾患や症状も考慮して行われます。DICの診断には、いくつかの基準があります。
旧厚生省DIC診断基準
日本救急医学会急性期DIC診断基準
国際血栓止血学会overt DIC診断基準
日本血栓止血学会DIC診断基準2017年版
新生児DIC診断・治療指針2016年版
それぞれの基準は、異なる病気や状態に合わせて使い分けられています。例えば、「急性期DIC診断基準」は感染症に関連するDICに使われますが、「新生児DIC診断・治療指針」は新生児に特有の症状を考慮して作られています。
※※この記事はメディカルドックにて【医師監修 病気を知る「播種性血管内凝固症候群」】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
- 力士「若戸桜」さん(33)が急死 「壊死性筋膜炎」の原因や治療法を医師が解説
──────────── - 穂積和夫さんが「多臓器不全」で逝去 どんな病態なのか、原因・症状を医師が解説
──────────── - 「播種性血管内凝固症候群」という基礎疾患が原因で発症する病気はご存じですか?
────────────

