男性ホルモンの働き(役割)

ここでは、男性ホルモンの代表的な作用について概説します。
男性化作用
陰茎の発育、造精機能の発達・維持、性欲・性機能の維持、射精、勃起作用、中枢神経系での男性における攻撃性維持への関与など、男性らしい身体づくりに関わります。
胎児期の男性内性器・外性器の形成
テストステロンは生まれる前の赤ちゃん(胎児)の男性器(精巣上体・精管・精嚢・射精管)の発達に関与しています。とくにDHTは、前立腺・陰嚢・尿道・陰茎など、尿生殖洞・生殖結節由来の構造の発達に重要です。
思春期の二次性徴を起こす
男性ホルモンは、声変わり、体毛・陰毛の発達、男性型の体格、陰茎・精巣の成熟、筋肉量増加などに関与します。
筋肉量・除脂肪量の維持、骨量・骨強度の維持
テストステロンは筋タンパク合成や除脂肪量の維持に関与します。
また、テストステロンは骨密度維持に関わります。さらに男性でも、テストステロンから変換されるエストラジオールが骨代謝に重要です。
前立腺・皮脂腺・毛包への作用
DHTは前立腺や外性器発達に重要で、成人では前立腺組織や毛包・皮脂腺にも作用します。
男性ホルモンが多いと顔に変化が現れる原因

成人の場合、男性ホルモンだけで顔の骨格が大きく変わるとはほぼありません。
ただし、男性ホルモンが多いと、「顔そのものが変わる」というより、顔の印象が変わることがあります。たとえば、皮脂が増えて肌が脂っぽくなったり、にきびができやすくなったり、ひげや生え際に変化が出たりすることがあります。こうした変化によって、顔つきが以前と違って見えることがあります。
ここでは主に「見た目の印象の変化の原因」について説明します。
皮脂が増加する
皮脂は男性ホルモンに依存的に産生されるという研究結果があります。
男性ホルモンが増えると、皮脂が増加することで、顔が脂っぽい、毛穴が目立つ、にきびが増えるなどの変化が生じます。これらの、顔面の皮膚の変化が、印象を変える可能性はあります。
産毛が太くなる
顔の毛包も男性ホルモンの標的です。特に、ひげ領域の毛包は男性ホルモンに反応して、細く短い軟毛が、太く長い毛に近づきます。男性ホルモンによりひげが濃くなることで、顔の印象が変化することが考えられます。
頭髪などの毛が薄くなる
ひげ毛包と頭髪毛包を比較した原著研究では、男性ホルモンは部位によって逆方向の作用を示し、ひげでは成長を促進する一方、頭皮の一部では退縮に関与することが示されています。男性ホルモン感受性があることが知られる頭皮毛包では、DHTなどの作用で毛包がミニチュア化し、毛が細く短くなります。前髪・生え際・頭頂部の変化で顔の印象は大きく変わります。

